今回は毎回ご用命くださる常連のお客様からのご依頼です。
思い入れのあるリールなので大切にしたいとのことです。
当機種はスプール部分をあのフィンノールが作っているという代物で、金管楽器のような美しさのあるリールです。
現状確認ではハンドルが若干重く、逆転モードにしてローターを手で回すとカチカチと異音がします。
原因を突き止めるべく分解開始です。
スピニングリールの最重要部分であるドラグ部は、珍しいコルクディスクもきれいな状態で全く劣化は見られません。
ギヤ周りはドライブギヤに摩耗があり、グリグリという感じのノイズが出るレベルです。
こちらは交換パーツがありませんので、シム調整でギヤの歯の当たり方を変えてノイズを抑えます。
問題のカチカチ音ですが、ローラークラッチについているバネが伸び縮みしてカチカチ鳴っていました。
こればローラークラッチについたグリスが固形化し、回転に抵抗がかかっていたために起こっていました。
グリスを取り除くとハンドル回転の重さも同時に解消され、滑らかな状態に戻りました。
完了後に「また第一線で使いたい」とのご連絡をいただき、記憶に残る嬉しい作業となりました。