Selffishが教えるリールオーバーホール術(第21回)実践編(18ステラ⑤)

18ステラの清掃・組立工程です。

各パーツをきれいに清掃していきますが、基本的にウエス、歯ブラシ、綿棒で行ないます。

清掃用具はきれいなものを使ってください。ホコリやゴミがリール本体内部に入り込むと、思わぬノイズや振動の原因になりますので、細心の注意で作業していきます。

ギヤ類は特に溝部分に小さな砂利などが絶対に残らないよう清掃します。

ボディ内部などは綿棒を使ってできるだけ汚れたグリスなどを除去します。綿棒はボディ内の突起などに引っ掛かると、綿が残ることがありますのでよく注意してください。

清掃をしながら、各パーツの稼働部分のチェックやベアリングのノイズチェックも行います。

水没した場合や砂利の混入がある場合は、エアを使った清掃も有効ですが、ワッシャーやゴムパッキンのようなパーツが飛び出すことがありますので、一気にエアを掛けずに、弱い力で少しずつ汚れを除去してください。

ギヤの歯は拡大鏡などで摩耗具合を見て、必要なら交換します。

ギヤの歯に拡大鏡で見てうっすらと摩耗跡が見えるようなら、組み上げると若干ギヤノイズがするはずです。

小さな傷を見つけたら、新しいギヤに交換した方が良いです。

すべてのパーツの清掃が完了したら、いよいよ組立工程です。

はじめにボディ内のベアリングをセットします。ベアリングのハウジングにはグリス(SHIP-O)を塗布します。

つづいてウォームシャフト、ウォームシャフトギヤにもグリス塗布し、組み込みします。

正しい位置に噛み合うと、お尻側のベアリングが座金2枚分入る位置に収まります。

中間ギヤの向きに気をつけてウォームシャフトギヤの横にセットし、センターピンを差し込みます。

メインシャフトの摺動部にグリスアップし、ボディ後方からベアリングの中を通してウォームシャフトの上に乗せます。この時摺動部を少し前後に動かすと、溝に入り正しい位置に収まります。

摺動部を支持するアルミの棒をグリス塗布のうえ2本差し込みます。

メインシャフトの上から、座金(真鍮)、曲げ座金(ステンレス)の順に入れます。

ピニオンギヤの内部を再度きれいにし、歯の部分にグリスを塗布して、メインシャフトの上側から差し込みます。

ベアリングの下に座金を入れてから、ピニオンギヤ上側のベアリングをセットします。

ベアリングを押さえるプレートをネジ3本で止めます。この時何かが間違っているとネジを締めるにつれ、ピニオンギヤの回転が重くなったりしますので、ネジを少しずつ締めながら、ピニオンギヤの回転を見てください。

ドライブギヤの歯にグリスを塗布し、所定の位置にセットします。ピニオンギヤとドライブギヤの歯がきれいに重なるよう位置を調整します。

本体カバーを慎重にかぶせて、変な隙間が無いかチェックします。カバーを指で押さえてピニオンギヤを回してみてください。少しでも重たい感じや引っ掛かりがあれば、カバーを開けて原因を探してください。

ネジを表3本、裏1本止めていきます。この時も少しずつ締めながら、ピニオンギヤを回して、また締めてを繰り返しながら、ネジを締めていきます。1か所のネジを締めつけてはいけません。面倒でも少しずつ4か所を交互に回してじわじわと締め付けていきます。3ターンくらいは繰り返しましょう。

次にローラークラッチ組ですが、分解時にも注意したように、向きを間違えるとバラバラと解体しますので、よく注意してください。ローラークラッチは2か所の突起とネジ穴の位置で、正しく収まる位置は1通りしかありません。突起とネジ穴をよく観察して正しい位置を覚えてください。

きちんと入ったら、3本のネジで固定します。本体カバーの時と同じように、3本のネジを交互にじわじわと締め付けていきます。

つぎにフリクションリングをセットします。接地面にACE-0グリスを塗布します。

ローターを乗せて、ナットで固定します。ナットは逆ネジ(左ネジ)です。

ナット中央に入っているベアリング、座金がきちんと収まっていれば、面一になりますので、ベアリングが少し飛び出していたら、中の座金が傾いています。取り出して正しい位置に収めてください。

ナットの締め付けも正しい位置があり、上にかぶさる黒いカバーがネジ穴にきっちり合わさる位置まで締めこみます。あまり怪力で締めこんではいけませんが、カバーがあるからと言ってゆるゆるなのはもっとダメです。

最後にスプール受け、音出し部の取り付けです。黒いラチェット(ギザギザのやつ)をそのうえのベアリング付パーツが正しくかみ合うように回しながら位置を確かめてください。正しい位置に入っていないと、次のイモネジが気持ちよく入りません。

スプール受けの座金をセットして完了です。

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