今回のオーバーホールは、ABU カーディナル33、3、6の3機種です。
北海道で釣りを満喫しているお客様で、氷点下10度の中で釣りをする命知らずのアングラーです。
伝統と気品を感じさせる3機種で、30年以上経ってもまだまだ活躍を続ける名機、できる限り良いコンディションにしていきます。
画像は33のもので、ベールが戻らなくなっています。ブラブラとして何となく痛々しい感じです。
ベールをそっと外してみると、内部のスプリングが真っ二つです。
通常はまず片側のスプリングが破損し、戻りが悪くなります。しばらく後にもう片方のスプリングが破損して完全に戻らなくなります。
このリールは両方とも完全に折れていました。
当店で在庫しているABUの純正スプリングに交換し復活です。
このスプリングは破損しているものが多く、日本製のスプリングよりも塩や錆びに弱いようで、常にグリスで防御しておかないと錆びたらすぐに折れてしまいます。分解すると元に戻しづらいので、隙間からスプレーグリスやオイルで常に潤滑しておくと長持ちします。
内部は強力なグリスがたっぷり入っているのであまり錆が出たりしませんが、グリスが硬化して潤滑不足になっていることがありますので、定期的にオーバーホールすると良い状態を保つことができます。
それから意外と汚れが溜まっているところが、ドラグ調整ダイヤルの内側です。大きめのマイナスネジを開けると中に砂利や汚れがたっぷりと捕獲されています。時には虫も捕まえています。このネジは左ネジですので開けようとして締めつけないよう注意してください。
とてもシンプルな構造できちんと仕事をする愛すべきリールです。
2021年03月28日 22:53