アンタレスDCMDのオーバーホール

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今回はシマノ アンタレスDCMDのオーバーホールです。
クラッチレバーが外れてしまうのとスプールの回転が極端に悪いのを直してほしいとのことです。
クラッチレバーの不具合については、すぐに原因が分かりました。
クラッチレバーを止めている固定ボルトが欠損しています。
力のかかる部分なので破損していることが多いのですが、ひび割れなどの破損はなく、ボルトが抜け落ちていただけでした。
全分解OHの中でボルトを補充して修理します。
この時、今後のプラスチックパーツ破損防止のため、強めのねじ止め剤を打ち補修します。
ついでにクラッチプレートの歪みも補正し、取り付け完了です。
次にスプールの回転不良ですが、最も可能性の高いベアリングの回転不良ですが、チェッカーで確認すると問題ありません。
回転が悪くなる段階を組み上げしながら確認していくと、DCユニット側を取り付けると回転が極端に悪くなることが分かりました。
スプール内部をよく観察すると、中心部分に透明の異物があり、これがユニットに接触しているようでした。
透明の異物を除去しようとすると、がっちり食い込んでいて取り除くことができません。
よくよく観察すると、スプールのブランキング部分に付着しているようです。
なるほどと思い、スプールい巻いてあるラインを抜いてみると、スプールに巻き付けたときにできる結びこぶでした。
結びこぶをスプールの穴に押し込むと、DCユニットに接触するのです。
DCユニットとスプール内側の隙間はわずかですので、ほんの少しの結びこぶが接触していたのでした。
DC搭載機種は概ね同じことが起こり得るので要注意です。
DC搭載機種なのに飛距離が今一つと感じる場合は、これも可能性として考えてみてください。

2022年05月29日 21:38

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