Selffishが教えるリールオーバーホール術(第12回)実践編(18バンタム右②)

第12回、分解工程の続きです。

本体を分解していきます。まず本体カバーを止めている固定ボルト3か所を外します。

ギヤ軸が飛び出していて、水平にゴムマットの上に置くことができませんので、ゴムのロールを使ってリールの内側が上に向くように置きます。

手を添えて押さえながら、プラスドライバー1番で3か所とも少しだけ緩めます。

少し緩んだら、またマイクロドライバー0番に持ちかえて、1本ずつ外していきます。この時注意するのは、3本ともネジの長さが違うということです。ついていたのと同じ場所に取り付けしないと、本体カバーを突き破ってしまいますので、厳重注意です。本体カバーのネジを外した場合、どの機種でも必ず正しい位置に取り付けしないといけません。後で位置が分かるようにトレーの上に置いていきます。

本体カバーをあまり力を入れずにそっと上に外します。中にはギヤやバネ、キックレバーといったパーツが並んでいます。ギヤ軸に乗っているパーツを一つずつ外していきます。この時もパーツの裏表があるものが多いので、意識してトレーに並べていきます。

インナーチューブ ⇨ スタードラグ板 ⇨ ドラグ座金(カーボンクロス) ⇨ ドライブギヤ ⇨ ドラグ座金(紙みたいな材質) ⇨ ストッパーギヤ

の順です。

つづいて、ピニオンギヤ、バネ、クラッチヨークを外します。

本体カバーについているベアリングは、五角形の針金状のベアリング抜け止めというパーツで押さえられているので、ピンセットで挟んで上手に外します。よく飛んでいくパーツなので目に当たらないよう気をつけてください。

抜け止めは外せたら、デザインナイフの柄を使ってベアリングを裏側から押し出します。

次に白いプラスチックのギヤ(ウォームシャフトギヤ)を外しますが、こちらはEリングというパーツで止めてあります。このEリングを外すのは、ちょっとコツがあります。0.7か0.9の精密ドライバー(マイナス)を使います。

よく見るとEリングとセンターの芯棒の間にわずかな隙間がありますので、そこにドライバーの先を差し込み、ドライバーをくるっと回すと不思議と外れます。力ずくで横にスライドしようとしたり、斜めに持ち上げようとすると傷つきますので、隙間に差し込んだらネジを回すようにどちらかに回してみてください。コツをつかむと面白いように外れます。

Eリングが外れたら、白いギヤとプレートの間にピンセット(爪でもよい)を差し込んで、上に外します。

次にギヤ軸を固定している銀色のプレートのネジ2か所を外します。この機種はこの2本のネジは同じものですが、最近の機種で上のネジとしたのネジが長さが違うものがありますので、注意してください。

ギヤ軸の一番下にプラスネジがついていて、プレートやベアリングを止めています。このネジもネジ止め剤で止まっていますので、挟面がフラットなプライヤーできちんと固定して、必ずプラスドライバー1番で、上から力を掛けながら少しずつ力を入れていきます。

ここで注意が必要なのが、また逆ネジの話です。この機種は右ハンドルなので、普通ネジで止まっています。反時計回りで緩みますが、左ハンドルの機種は逆ネジですので、時計回りで緩みます。

つづいてレベルワインダーを外します。

まずレベルワインドを支持しているスライドバーを抜き取ります。固い場合は、挟面がフラットなプライヤーで挟んでずらします。

このバーが外れるとレベルワインドパイプが少し前後に回転するようになり、キャップを外せる位置にずらせるようになります。マイナスドライバーでキャップを外し、中にある座金とピンを取り出します。

ピンが外れると、ウォームシャフトが出てきますので、抜き取ってください。その際、ウォームシャフトの先端に座金がついていますので、パイプの中に残ってしまうことがあります。

綿棒やピンセットを使って取り出してください。気づかずに清掃に入ってしまうと、綿棒にくっついて一緒に捨てられてしまいますので、気をつけてください。

最後にクラッチ回りを外して終わりです。

クラッチはクラッチカム押さえ板というツノが2本生えたようなプレートで押さえられていますので、これを止めている2本のネジを外します。

このネジを外すと、キックレバーのバネが飛び出そうとしますので、バネの部分を指で押さえながらネジと押さえ板を外します。

ゆっくりとクラッチカムを外して、バネを外しておきます。このバネは長い方が本体に刺さる側なので要注意です。

クラッチレバーとクラッチプレートを止めているネジを外して、取り出せば完了です。

これで分解完了です。

次回は清掃工程に進みます。

 

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