こんにちは Selffishの鈴木です。
今日はスピニングリールの最も重要な機能と言ってもよい「ドラグ機構」がどのような状態になっているかをご紹介します。
日々オーバーホール作業をしていると気づくことの一つですが、結論から言ってしまうと、小型スピニングリールのドラグワッシャーは大抵乾いてカラカラになっています。
2500番以下クラスの小型スピニングリールには、滑り出しのスムーズなフェルト素材のドラグワッシャーが装備されていることが多いです。
最近はメーカーさんによっては、小型の番手でもカーボンクロスという、グリスレスで使用できる素材を採用していることがありますが、ほとんどはその特性からフェルト素材を使用しています。
スピニングリールのドラグワッシャーはスプールの中に装備されており、止めているパーツをピンセットで外すと順番に重ねられています。
ドラグワッシャーと金属の座金が交互に重ねられており、整備された状態ではフェルトは専用のグリスでしっとりと湿っています。
多くのリールをオーバーホールしていると、一番上の座金にはグリスがきちんと塗布されているのに、下の方は乾いた状態になっていることに気づきます。
これは釣行後に水洗いをして陰干しを繰り返しているうちにグリスが洗い流されていき、上の面だけグリスが再塗布されているからです。
取扱説明書やメンテナンス動画・記事など、いろいろなところで「ドラグノブをきっちり締めて水洗いしてください」と説明されていますので、ご存知の方も多いと思いますが、これが理由の一つです。
それでも日数の経過や摩擦により、次第にフェルトは乾燥していきますので、たまにドラグ用のグリスを塗布してあげると良いコンディションを維持することができます。グリスはメーカー純正のものでもよいですし、こだわりのある方は、ちょっと性能の高いグリスを使ってもよいと思います。その場合は、ドラグ部に使用できるグリスなのか確認してください。
※ダイワさんのATDは特別のグリスが塗布されていますので、性質の違うグリスを再塗布できません。ワッシャーごと交換します。詳細はメーカーさんにお尋ねください。
パーツの順番や止め具の位置など取り付けるときに少しコツが必要ですので、不安な方は専門店に頼むと良いです。
ドラグワッシャーが乾いた状態で、使用を続けると、フェルトに無理な力がかかり繊維が削れて薄くなっていきます。最終的にはゴミのようにスプールの溝にたまっているか、跡形もないこともあります。
ドラグが正常に働かないと、高確率でラインブレイクしますので非常に重要なところです。特に細いラインで大物とやり取りをする小型スピニングリールの場合、ドラグ性能はキャッチ率に大きな影響が出ます。
もう少しだけ気を遣ってあげると良い部分です。