こんにちは Selffishの鈴木です。
今日は久しぶりに使おうと思って出してきた電動リールのハンドルが重たくなっている原因をご紹介します。
電動リールの場合、モーターに連動するギヤがある分、手巻きのリールよりもたくさんのギヤが内蔵されています。
そのためハンドル回転はやや重めになりますが、それにしてもずいぶん重い・・・しかも変な音までする
という状態になると、これは原因を見つけてケアしてあげないと寿命が大幅に縮まってしまいます。
ハンドルの回転が重たくなる場合、多くはローラークラッチの錆びが原因ですが、今回はレベルワインド部が原因でした。
ハンドルを回してみるとかなり重たく、キュルキュルというノイズがします。スプールの回転も連動して重たくなっているため、糸の出が非常に悪い状態です。
内部を見てみると、ギヤ軸部やレベルワインドのウォームシャフトに緑色の緑青が発生しています。
この緑青は、非常に頑固に金属部に付着するため、除去するには削り落とす感じになります。放っておくとどんどん増殖して分厚く広範囲に広がります。リールの半分くらいまで広がってしまうと、除去することは困難になります。
緑青発生により、各パーツは元の状態より一回り大きくなります。ちょうど厚い塗装を施したような状態です。
実際にどのくらい大きくなっているか計測してい見ると、ウォームシャフトの軸の直径が元々の4.95mmから5.07mmに増えています。
そのため大きな抵抗が生じて回転不良になっていました。摩擦で除去されそうな感じがしますが、熱をかけても全く動じない頑固な奴です。
海水で使用するリールは、どうしても金属部分にこの緑青が発生します。メッキパーツにもよく発生しています。こんなに頑固な緑青にも弱点があり、オイルをかけて綿棒などで擦ってみると、乾いた絵の具が水に溶けるように少しずつ分解していきます。常にオイルやグリスでケアしておけば緑青の付着は防止できますので、潤滑不足にならないよう気をつけてあげると不具合に至らず、ぎりぎりセーフにすることができます。