こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、スピニングリールで経験することが多い「ハンドル回転時のゴリ感」についてです。
ハンドルを回してラインを巻き取るときに、手に伝わる微振動のことをゴリ感と表現しているのをよく目にします。リールを巻いた時に感じるあの高級感のなさを見事に表している言葉だと思います。
ところがこの表現、実は釣人だけが理解する暗号のようで、釣りを知らない人にゴリ感と言ったら全く通じませんでした。シャリ感も同様です。
さて、このゴリ感の原因は何かというと、多くの場合、ギアの歯がぶつかるときに発する振動です。
ギア以外にもベアリングがひどく錆びていたりする場合も、似た感じの振動が出ることがありますので、必ずギアノイズであるとは言い切れませんが、そのどちらかあるいは両方が原因であることがほとんどです。
ギアの摩耗によるノイズである場合、ギアを新しいものに交換することが最も理想的な解消方法になります。
しかし、機種や年代によっては新品ギアが入手できない場合はありますので、その場合はグリスケアにより少しでも抑えるという方法しかとれません。
写真は、18ステラのドライブギアですが、このレベルになると元々のシルキーさはなくなり、ゴロゴロした感触が手に伝わってきます。グリスは汚れているのではなく、金属によいと言われている黒いグリスを使ってメンテナンスをされていたようです。
ギアの刃の真ん中あたりに、点のような摩耗跡が各歯に付いているのが分かるでしょうか。これがゴリ感の原因です。こんなわずかな跡が・・と思いますが、新しいギアに交換すると新品同様のシルキーさが蘇ります。
あーそうそう、この感じ・・と初めて手にした時の感動が蘇ってきて、なんか釣れそうという根拠の乏しい良い予感が頭をよぎるようになります。私も、自分のリールをオーバーホールして、シルキーな状態が蘇ると、すぐにフィールドに行きたくなります。釣れるとしか思えない状態で出かけるので、なぜか釣れます。科学的に合理的な説明はできませんが、気持ちがハイテンションになると引きも強くなるような気がします。
ハンドルを回して、シルキーさをチェックしてみてください。あれっ?という感じがしたら、オーバーホールのサインです。