Selffishの起源

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回はオーバーホール事例ではありませんが、最近よく質問されることについてお話しようと思います。

ここのところ取材や取引先、レッスンなどで外部の方とお話をさせていただくことが増えてきましたが、多くの方が尋ねられるのが、「どうしてこのビジネスを始めたのですか」ということです。

知名度は低く、求める人も少ない領域の仕事なので、商売にならないのでは?というご心配からのご質問かと思いますが、確かにそのとおり、オーバーホールだけでビジネスとして成立している例はほとんど見たことがありません。私がこのサービスを始めた20年前には、メーカーのアフターサービス以外にリールオーバーホールを専門にうたっているショップは数社だけでした。私自身も単体で商売として行っていたわけではなく、中古釣具店の業務の一つとして、リールの分解清掃・整備をしていました。

当初は買い取りさせていただいたリールを、中古リールとして販売できる状態にするための清掃と注油からスタートし、簡単な分解清掃を中心に作業していました。丁寧に清掃したリールはご購入いただいたお客様も気持ちよく使っていただけると思い、できる限り細かいところまで清掃するようにしていました。

ハンドルを回転するとゴリゴリするリールなどは、お客様に状態をお伝えして現状で販売することを基本とするよう指導されていましたが、恐る恐る分解・清掃して汚れを落としてみると、かなりコンディションが良くなるリールもたまにあるので、ダメ元でも分解清掃してみることに決めていました。

突然バネが飛び出したり、記憶にないワッシャーが落ちていたりして、販売できなくなってしまったリールは数知れませんが、毎日数年続けると各リールの構造も少しずつ覚えてきて、不調の原因と解消法が分かるようになってきました。その間に、某リールメーカーのメカニック経験者がお客様としてご来店され、基本的なポイントを教えてくれたり、分解が得意なお客様からのアドバイスをいただいたりという幸運もあり、少しずつリールメンテナンスの知識が増えていきました。

分解清掃、整備の台数が通算10,000台を超えたころから、知らないことがなくなってきて、何となく違うステージに上がった感じがしたことを覚えています。

その後お客様より、調子が悪くなったリールを見てもらえないかというご要望が多くなってきたため、有料で整備させていただくようになったことが、ビジネスとしての始まりです。

お客様から「この店のリールはきれいに清掃されていて気持ちいいよね」と言われるのを励みとし、調子が悪くなったリールを整備して直すことで、「ありがとう、助かった」と感謝される喜びを味わうようになりました。

中古釣具を販売するだけでは、お客様からありがとうと言われることは少ないので、自分ができることでお客様から感謝されるビジネスというのは非常にやりがいがあると実感しました。一日も休むことなく仕事をしていても、全く苦にならないのはこれが理由で、とても幸せなことだと思っています。死ぬまでにあと10万回ありがとうという言葉をもらおうと決めたことで、本格的にSelffishをスタートさせることになりました。

続きはまた別の機会に

 

 

関連記事

最近の記事

  1. TC-01R(トライアングル)右ハンドル入荷しました!

  2. ダイワ スパルタンIC150Hのオーバーホール

  3. シマノ 20メタニウムXGのベアリングチューン

TOP