こんにちは Selffishの鈴木です。
今回はダイワ シーボーグ270MMという2009年モデル電動リールのジャラジャラ音改善です。
当機種についてはすでにメーカーの対応が終了しており、オーバーホール自体が難しいリールです。純正パーツの在庫がない状態での作業は、不具合を改善できない可能性があり、かなりの覚悟を持って慎重に作業していかなければならないため、あまり引き受けてくれるところがありません。当店でもオールドリールと同様の扱いになり、小さなミスも許されないという緊張感の下での作業となります。
10年以上使用を続けていると、ほとんどの駆動系パーツに劣化や摩耗が見られ、汚れや錆びも非常に多くなります。
分解清掃により長年の汚れを落としながら、パーツの状態を見ながら最適稠度のグリスでケアしていきます。
ジャラジャラという感じのノイズは、多くの場合ベアリングのノイズで、シュルシュルから始まりシャラシャラからのジャラジャラと異音が変化していきます。ジャラジャラの場合は、ベアリングが破損している場合もあるくらい末期症状ですので、できるだけそうなる前に交換しておく必要があります。
ジャラジャラ音でベアリングが錆びて破損している場合、まず簡単には取り除くことができないことが問題の一つとなります。さらにベアリングは破損すると内蔵されているボールが飛び出し、そこら中にちりばめられます。
このボールは非常に硬い素材でできているため、ギアの歯にはさまると大変なことになります。ギアの歯は変形しゴトンゴトンという振動を発するようになります。ここまで行くともう改善はできません。
今回のリールも各部に汚れや錆びが多く、ベアリングも破損寸前の状態でしたので、ギリギリセーフという状況でした。汚れ、錆びは除去し、ベアリングは新しいものに交換します。塩に強い防錆効果のあるグリスを使用してコンディションを整えていきます。
電動リールの場合、電気部分は触れませんので、モーターが悲鳴を上げているときは、対応期間のうちにメーカーで交換などの処置をしてもらわないとなりませんが、ベアリングの交換とグリスアップでかなり良い状態にできますので、スプール・ハンドルの回転が歴然とスムーズになります。
なんか最近ハンドルが重くなったとか、スムーズさがなくなったように感じるという時は、オーバーホールに出してみてください。