Selffishの軌跡(続)

こんにちは Selffishの鈴木です。

Selffishの軌跡(続編)です。

事業に失敗して路頭に迷う典型的なパターンを辿ったことで、持っているものはすべて無くなり、負債だけが残っている状態になると、それまで親しく接してくれていた人は自分の近くから去っていきました。当時の売上では到底負債の支払いをすることができず、親族や銀行など支払いを待ってもらえる先にはお詫びとお願いをしながら、ご依頼いただいたお客様のリールを黙々とオーバーホールする日々が続きます。

そして、新型コロナ パンデミックに突入します。飲食店やイベント関係など人が集まるすべての業界が大打撃を受け、早めに緩和されたとはいえフィッシング業界も「それどころではない」、「この危機に遊んでる場合ではない」というムードで低迷していました。ご依頼も思うように増えず、依頼が少ない日は、知り合いにお願いして、ゴミ回収業の手伝いをさせていただきました。毎日たくさんの方々がお亡くなりになる中、誰も近寄りたがらなかったゴミ回収という仕事は、いろいろな意味で非常に深い経験をさせていただきました。多くの人間模様を目の当たりにしながら、再起を待つ日々が続きました。

このような経済危機的な状況において、可能な事業は必然的に、「固定費がかからないこと」「仕入れがないこと」「在庫を持たないこと」が必須条件となりますので、ほとんどの店舗事業は実現できません。リールのオーバーホールサービスという事業は、その条件をかなりの水準でクリアーしていたので、どのようにすればご依頼を増やしていけるかだけに集中しました。

ネットで同業の方を検索して、どのように依頼を獲得しているのか学ばせてもらおうとしましたが、趣味でリールオーバーホールを投稿しているアマチュアの方の情報が上位を独占しており、プロフェッショナルの情報はほとんど出てきません。その中でただ一人、この人はプロフェッショナルだと思える方が九州のリールメンテナンスドットコムというショップを経営している内田氏でした。

リールオーバーホールしますとうたっているショップはありますが、そのほとんどが本業は釣具の小売店で、付帯サービスとしてオーバーホールもやりますという形態でしたので、リールメンテナンスだけで事業として成立しているショップはほとんどなかったのではないかと思います。なおかつリールメーカーの仕事を受託しているため、自己流ではないという点が「これこそ本当のプロだ」と感じた点でした。自分のリールを託すなら、こういうショップだと思い、同じところに立てるよう挑戦していくことになります。

新型コロナへの恐怖心が少しずつ薄れてきたころ、ゴルフや釣りなどの屋外のレジャーは徐々に再開の兆しが見え始め、各地で近い場所での釣りが再開され始めます。

リールのオーバーホールサービスという事業は、釣り人の皆さんがシーズンオフになる時期が一番の繁忙期になりますので、実は釣りに行けなかったコロナ禍においては、繁忙期になっていてもおかしくありませんでした。しかし実際には、あまりに釣りから遠ざかっていたため、シーズンインの準備であるリールメンテナンスは行われなかったという結果でした。

ご依頼が少ない日があっただけに、たくさんのご依頼が来た日のうれしさとリールへの愛情がこれまで以上に膨らみ、懇意にしてくれるお客様とこの子たち(リールたち)が自分を生かしてくれていると実感しました。

そして、これまで続けてきたリールメンテナンスの十数年がようやく実を結ぶ時期がやってきます。満足していただけたお客様がご釣友の方々に宣伝してくれるようになり、リアルなクチコミ(ご紹介)が増えていくと、Selffishのウェブサイトを見たお客様の中のホームページ制作会社の方から、「もっとショップの世界観をイメージできるサイトにした方がいいよ」とアドバイスをいただきました。当然そこに投じる資金はありませんので、サブスク型のサイト制作会社の中で最も自分のセンスに近いHPの会社に頼んでみることにしました。

それまでのウェブサイトは、テンプレートだけ用意してくれて、あとは自分で作ってくださいという制作会社だったので、やはり素人っぽさが出ていて、なかなか世界観までは表現できないものでした。またSEO対策も難しい仕組みだったので、上位表示はできませんでした。

今から思えば、あのホームページ制作のプロであるお客様の一言で、この後の流れが大きく変わることになったのでした。

続きはまたの機会にお話しします。

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