ABU AMB4600Cの動作不良の改善

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ABU AMB4600Cの不具合です。ハンドル逆転をはじめ、クラッチの切れの悪さなど、使いづらさが目立つようになってきたとのことでOH依頼となりました。

オーバーホールを実施していないオールドリールによくある現象ですが、各部に動作のぎこちなさ、緩慢さが生じて、何となく気持ちよくないなぁという状態になることがあります。この状態になる原因の一番多いパターンは、グリスの劣化です。元々のABUリールに塗布されたグリスは30年も経過すると水あめのようになり、すべての動作の抵抗になります。動きも緩慢になり、すべてがスローモーションのようになります。クラッチを切ってハンドルを回してもゆっくりと連結するため、落ちパクバイトなどはあわせることができません。

この場合の特徴は匂いです。ABUのグリスが劣化すると異臭を放ちます。オールドっぽい匂いということで、私を含むカルトはマニアにとっては、ほっとする匂いですが、世間一般的には悪臭です。客観的に見てリールが妙な臭いになっていたら要注意です。この状態のグリスは、軽く融着しているためパーツクリーナーで落とすより、オイルでゆっくり溶かしてから除去した方が良いです。

今回ご依頼のリールもグリスが固着し、各部で動作不良を起こしていました。

 

特にこの機種はARドックというハンドル逆転を防止するパーツの形状が通常のAMBとは違うので、動作に少しでも抵抗があると正しく働きません。ハンドルの重さ、クラッチの切れの悪さ、ハンドル逆転などあらゆるところに支障が出ますので、全く使い物なりません。

 

水あめグリスを取り除き、新鮮なグリスで仕上げると、俊敏な動作が蘇り、手返しの良いキャストが可能になります。何となく動きが悪くなってきたなぁと感じたら、まず匂いを嗅いでみてください。汗臭いような錆びたような臭いがしたら、即オーバーホールです。

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