シマノ オシアジガー4000Pの巻き重り

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ オシアジガーのハンドルが極端に重たくなっている場合のOHです。

このお客様は目の前が海という釣り人にとっては楽園のような環境にお住まいの方で、リールの使用頻度も一般の方々とは比べ物にならないくらい多いです。その分、きちんと手入れをしていても通常の何倍ものスピードで塩にやられていきます。今回のリールも塩ガミが多く、至る所で動作不良が起こり始めている状態です。

早速作業を開始してみると、まずハンドルナットを止めているプレートのネジが外れません。すべてのボルトが同じ状況であるはずなので、浸透性の極めて高いオイルを注して、5分くらい待ってから作業開始となりました。

ボルト、ナットは外れましたが、今度はハンドル本体が軸に固着し、びくともしません。こちらもオイルを注してまた待つこと5分、少しずつ力を加えていきようやくハンドルが外れました。ここまでの状況で組み上げ時に防錆防汚加工と塩に負けないグリスの使用が必要であると判断し、いつもより高い稠度のグリスを調合しておきます。

ハンドル回転が重たい原因の一つ目は、ローラークラッチの錆による固着・動作不良です。

こちらはクラッチリングの錆びは落とせましたので、ローラークラッチ本体のみ交換して正常な動作に戻します。

次にギア軸の元にあるベアリングの錆びおよび固着破損です。こちらは取り外し自体が難しい状態でしたが、微振動を加えて取り外し、新しいベアリングに交換します。座金なども錆びて厚みが変わっていますので、研磨して元の厚さに調整していきます。

次は、ピニオンギアとスプール軸の固着によるスプール回転の悪さとクラッチの重さです。こちらも原因は錆びなので、塩ガミ・錆びの除去と防錆処理で良い状態に戻します。

ここで、ドライブギアとギア軸の固着も見られましたので、打撃で外して太くなった軸を少し研磨します。

この固着はドラグの微調整を不可能にする悪影響が出ますので、再び固着することのないよう処置します。

最後にスプールに装着してあるベアリングの回転不良です。

こちらもハンドル回転、スプール回転の両方に不具合を生じさせ、ハンドル回転の重さと異音を生じます。このくらいの両軸リールになると、市販されているスプールピンのリムーバーでは外すことができませんので、平行に挟むことができるプライヤーを使用して取り外していきます。

ここまでのケアとパーツの交換によりかなり良いコンディションになりますので、仕上げは塩分に強い成分のグリスで各部を保護して組み上げていきます。ベアリングにはすべてグリスシールを施し、少々の海水には負けない状態で仕上げます。

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