シマノ ツインパワー8000HGのハンドル回転不良

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回はシマノ ツインパワー8000HGのハンドル回転の重さと振動を改善するオーバーホールになります。

15年以上経過している機種については、ハンドルがジワーッと重たくなることがあります。

これはリールの内部にあるグリスが劣化して水あめのような状態になっていることがよくあるパターンですが、もっと強烈に突然ハンドルが重くなる場合には、使用されているゴム素材のパーツ溶解が原因である可能性があります。

スピニングリールには、ベールを起こしたときにローターが回転しにくくなるように、フリクションリングというゴムのパーツが装着されています。最近のものは、シリコンゴムが使用され、形状も進化しており、溶解しているのは見たことがありませんが、ひと昔前のリールには使用されていた普通のゴムパーツは、経年劣化により溶解しているものが多いです。

ベールを起こしたときにローターが回ってしまうと、ちょうど半回転くらいしたところでオートリターン機構が働き、ベールが自動的に元の状態に戻ろうとします。そのためキャストした直後にベールが戻ってラインブレイクするという最悪の事態が起こりえます。それを避けるために、ローターの回転に抵抗をかけるパーツがフリクション(抵抗)リング(輪)です。このパーツが欠損し、ローターが回転する状態でも、支点が大きくぶれないキャストをする方は実害がないため、気づかないことが多いです。

プロセスとしてはゴムが劣化し始めると、まず伸びます。当初はピシッと締まっていたものが、たるんできますので、少しずつぶかぶかになってきます。パンツのゴムを想像してもらうとイメージしやすいかもしれません。

伸びてぶかぶかになってくると、次は切れます。この時点で引っ掛かったりするとハンドルが回らなくなりますので、気づくのですが、偶然引っ掛からないでそのまま時間が経過すると、ゴムが溶解してローター内で高温で溶けたチョコレートのような状態になります。

 

こうなると頻繁にネバネバの物体に回転を妨害されますので、ハンドルは極度に重くなったり、軽くなったりを繰り返すようになり、非常に不快なリールになってしまいます。さらにこの状態になると、除去するのも一苦労で、この残骸が付いたところはすべて真っ黒になります。指先から始まり、机や床も真っ黒に、そして服についたりした場合、その服は一瞬で廃棄処分になります。

この溶解したゴムは専用の洗浄剤と綿棒でゆっくり落としていきますが、綿棒を20本くらい消費します。口に入れたことはありませんが、恐らく猛烈に有毒だと思いますので、触れないように気をつけましょう。

最近のリールではこのようなことは今のところ起こっていませんが、20年くらい経つスピニングリールは要注意です。心当たりがある場合は、事情が分かる人にローター内部を見てもらうようにしましょう。

 

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