シマノ 12フォースマスター3000MKの回転不良

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノの電動リール「12フォースマスター3000MK」の糸がスムーズに出ていかない症状を改善してほしいとのご依頼です。

この機種は2012年に発売され、MUTEKIモーターとMUTEKIドラグを搭載した、当時クラス最強のパワーを誇る電動リールでした。そのため、錆びや腐食などで少々巻き上げに抵抗が出てきても、巻き上げでは全く気づくことがでず、固着がより厳しいものになってしまうという皮肉なことがよく起こります。

このリールのオーバーホールでほぼ100%と言っていいくらい交換となるベアリングが、レベルワインド部の両軸受けです。

ノイズが出ている程度のものはむしろ稀で、ほとんどの場合回転していません。単なるステンレスの塊りと化しており、動かすたびに摩擦熱を発しています。そしてウォームシャフトに固着しているベアリングは簡単には取り外すことができません。この後発売される13ビーストマスターも同じ形状なので、同様に固着していることがほとんどです。

電動リールは基本的に、手軽に分解できる個所がないため、隅々まで水洗いすることは難しく、どうしても塩ガミが多くなります。シーズン中に何度も使用した場合は、毎年シーズンオフには分解清掃、グリスアップを行なった方が良いでしょう。

塩ガミが多いのは、レベルワインダーの他に、スプールと本体の隙間から浸入する部分で、スプール連結部、ピニオンギア周辺、クラッチカム周りです。

 

新品時には多めのグリスで塩に負けない状態になっていますが、数年経過するうちにグリスの力も衰退してくるので、所々で塩たちが勝利して結晶が残っていき、やがて腐食・錆びを引き起こします。

塩に対抗できる唯一の方法がグリスによるシールです。

モーターが装備されている電動リールは、熱を生じるため、通常のグリスは溶けやすくなります。そのため、高温でも比較的変質しにくいグリスを使っています。それでも数年そのまま使っていると潤滑不足に陥りますので、早めのグリスアップが大切です。

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