こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、TRY-ANGLE アンダースピンキャストリールTU-01のオーバーホール依頼です。
「特に不具合はないが、しばらく使ったので定期メンテの意味で」とのご依頼です。若干新品時に比べ、ハンドル回転時にノイズを感じるようになってきたということです。
このリールはパーツの点数は少なく、シンプルな構造になっていますが、一つひとつがしっかりと作られており、さすがは五十鈴工業さんという感じの精度の高さで、安っぽさを全く感じさせません。
最近のリールにはない形状のリールですので、どのフィールドで使用していても、ひときわ目立ち、見た目からはまさかこれほどのスペックのリールだとは誰も思わないはず。実はトーナメントでも十分使えるレベルのハイスペックぶりです。
内部を見ていくと、スプール周りは緩みやグリスの汚れは少なく、かなりきちんとお手入れをされているようです。ラインがかかる部分のピンにも引っ掛かりそうなことろはなく、良好な状態です。
クラッチレバー部のグリスも比較的きれいな状態で、特に問題はなさそうです。
若干感じるようになってきたというノイズの原因は、ドライブギアとピニオンギアのグリスの汚れにより、100%の潤滑ができていないことのようです。
それぞれのギアの歯には、黒く汚れたグリスがうっすらと残っており、不十分な状態です。
古いグリスをきれいに除去し、ギア専用の少し稠度の高いグリスを塗布していきます。
グリスを新しくするだけで、ノイズは大幅に抑えられて、驚くほど巻き心地が変わります。
ドラグ力は2Kgとそれほど強くありませんが、4LBラインの使用を想定して作られていますので、バスとやり取りするには十分な性能です。
このスピンキャストリールは、同じ基本構造でクラッチレバーの形状を変えることでベイトリールにもスピニングリールにもなるという非常に面白いリールで、バックラッシュのないベイトリールにもなりますので子供など初心者さんにもやさしいリールです。
トーナメントレベルの上級者が使っても絵になるという多彩さがなんとも言えない味のあるリールです。
最新のリールと同じように、ラインが触れるところはゴールドサーメット仕上げになっていて、細かいところまで手を抜いていない点が印象的です。
1台持っているといろいろと話題ができて面白いリールだと思います。