ローラークラッチの破損

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回はちょくちょく見かけるパーツの破損についてです。

シマノの電動リール フォースマスター600というリールのパーツ破損の例ですが、ハンドルの逆転を防止するためのローラークラッチというパーツです。このパーツは、自分でOHする方なら一度くらいは破損しているものを見たことがあるのではないかというくらいの頻度で目にします。

ローラークラッチはメーカーによってはワンウェイクラッチと呼ぶこともありますが、ローラーベアリングというベアリングの一種で、一方向だけに回るという特性のベアリングです。これによって、ハンドルが正方向にしか回転しないという動作を生むことができます。

 

このパーツは両軸リールのハンドル部分に使われる以外に、スピニングリールではローターが一方向にしか回らない動作や、ダイワスマックなどにあるクイックレバー部、電動リールのモーター軸部など、いろいろなところに人知れず装備されており、かなり重要な役割を果たしているものです。したがって酷使されているパーツであり、かつ破損すると致命的な状態になるので、そのまま釣りを続けることが難しくなります。

電動リールを含む両軸リールのハンドル部分に装備されている場合は、海水にさらされやすい位置にあるため、塩による被害を受けやすく、錆びてダメになっていることが多いです。

逆回転を止めるローラー構造でできているため、力を受け止めているうちにわずかな摩耗や変形が生じ、逆回転方向に動きが出てしまうという不具合が起こります。

特に錆びには弱く、錆びが出てしまうとたちまち動作不良が起こるようになりますので、いかに錆びを発生させないよう手入れするかが重要になります。

スピニングリールに搭載されているローラークラッチには、注油禁止とかスプレーグリスがかからないよう注意するよう記載がありますが、粘性の高いオイルやグリス(特にフッ素系グリス)を塗布すると正常な動作ができなくなりますので、要注意です。

このため、錆びに対する最適な防御策である注油、グリスアップが制限されるというとても難しい立場に置かれているパーツになります。このようにお手入れが難しいパーツなので、水洗いと粘度の低めなオイルをごくごく少量塗布することで錆を防いでいくしかありません。

一定期間の使用で錆びや摩耗により正常な動作ができなくなりますので、その時は交換が必要になります。

最近のシマノのベイトリールでは、圧入しているため特殊な工具がないと交換ができませんので、メーカー依頼により交換しなければなりません。なので、メーカー修理対応が終了してしまうと交換ができなくなり、このパーツが愛機に引導を渡すことになる可能性があります。要、要、要注意です。

関連記事

最近の記事

  1. TC-01R(トライアングル)右ハンドル入荷しました!

  2. ダイワ スパルタンIC150Hのオーバーホール

  3. シマノ 20メタニウムXGのベアリングチューン

TOP