シマノ 19ステラSW14000XGの水没対応

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ 19ステラSW14000XGの水没対応についてです。

水没については、海水か淡水か、そのくらいの時間水没していたか、どのくらいの深さまで落ちたかが重要なポイントで、それぞれの状況によって対応が変わってきますので、できるだけ詳しく教えていただいた方が正しい対処ができます。

今回の場合は、船からリールを落下し、ベールを起こした状態であったため、一気に海底まで沈んでいきました。ラインは手元にあったため、ラインを手繰ること300m、運良くと言っていいのか、生還しました。

海底深くまで沈み、恐らく30分間以上、海を漂っていた状況だと思われますので、内部のエアは水圧でほぼ抜けて、分解した状態で海水に浸かったと同じくらい隅々まで海水が入り込んでいます。

今回の場合、内部に海水がたっぷり入っていますので、即分解・洗浄し防錆処理をしないと危険な状態でした。

分解していく間も、絶えずどこからか水が出てくる状態で、1枚目の作業用トレーは水浸しになりましたので、2枚目を使用。全パーツが分解できたところで、3枚目のトレーに移して、洗浄、防錆処理の後に、4枚目のトレーに並べていきました。

ベアリングは当然ですが、全滅で交換となります。

海水にどっぷり浸かった内部はどうなっているのか見ていきます。

ボディ内部は、隙間という隙間に水分が残っていますが、水没当日ですので錆びは出ていません。

1週間もすると次第に錆びが出てきて、そのうち分解すら困難な状態になりますので、すぐに持ち込んでいただいて大正解でした。今回のような状況の場合、お持ち込みいただいてから1時間後くらいには、分解作業に入っていましたので、ほとんど無傷の状態だったと思います。

ウォームシャフト、ギア周りもグリスと海水が混ざったような状態になっています。

ドライブギア、ピニオンギアも同様でグリスは残っていますが、海水交じりのグリスになっています。

 

ローター、アームカム周りは意外に水分は少なく、振っただけで水分は外に飛ばせるようです。ただし残っているのは塩ですので、そのままではアウトです。きっちり洗浄、防錆、グリスアップします。

 

スプール内ドラグ周りも同様で、水分は排出していました。この部分は元々グリスがたっぷり塗布されていますので、少々の海水では侵されることはありませんが、もちろん洗浄・防錆のうえ再度ドラグ専用グリスで仕上げておきます。

これでもう大丈夫だと思いますが、今回のようなケースだと作業時間は通常の3倍以上かかる大仕事になります。水没は長く釣りをしていれば、どうしても避けられないことなので、深いところまで沈んでしまった場合は、1分でも早く分解・洗浄まで行なっておくことが重要です。

 

 

関連記事

最近の記事

  1. TC-01R(トライアングル)右ハンドル入荷しました!

  2. ダイワ スパルタンIC150Hのオーバーホール

  3. シマノ 20メタニウムXGのベアリングチューン

TOP