ABU ZENONビースト9Lの定期オーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ABU ZENONビースト9Lを同時に3機オーバーホールご依頼です。

このお客様は、沖縄でかなりエキサイティングな釣りを展開している方で、リールの使用頻度もかなりヘビーなため、通常よりも短いサイクルでOHを行なっています。それでもいつも各部に不具合が出始めるギリギリのタイミングでの作業になっています。

同機種をたくさんお持ちで、交代で使用するので、1機種当たりの使用時間は短くできていますが、何しろフィールドも対象魚もかなり手強いので、どうしてもダメージを受けてしまいます。

いつも丁寧にお手入れされ、大切に取り扱っていることは、リールを見れば分かりますが、分解した状態でないとケアできない部分がありますので、オーバーホールでは状況を踏まえた処置をしていきます。

毎回ダメージが大きいのが、ローラークラッチというパーツで、ハンドルの逆転を防止するための機能を担っている部分です。

当機種の場合、構造上この部分に水分がたまりやすいのか、毎回錆びが出ています。オーバーホールのサイクルが短いので、動作不良になるほどの錆ではありませんが、ローラーベアリングの樹脂部分が弱くなってきますので、ハンドルが微妙に逆転方向にガタついたり、キュルキュルという金属が擦れるノイズを発してきます。錆びを除去し、専用のグリスで状態を整えますが、アワセの時やファイト時にハンドルには強い力がかかりますので、破損しやすいパーツであることは確かです。錆びは破損の最も大きな原因ですので、できるだけ強力なシールを施しておきます。

ギアについても、相手が巨大で力が強い場合は、摩耗が激しく、時には歯が変形していたりしますので、できればパーツ供給のあるうちに、ドライブギアとピニオンギアは確保しておきたいところです。

 

レベルワインダー部は汚れが多く、毎回の水洗いでグリスも流されるため潤滑が不足していることが多いです。

 

ギア軸部も汚れにより錆びが出やすい部分なので、ベアリングの交換とグリスによる防御が必要となる部分です。

ドライブギアとドラグワッシャー部分も錆びや腐食を出さないために、グリスによる防御が必要な部分です。本来は、当機種のドラグワッシャーは基本ドライでの使用になりますが、ドラグ専用のグリスを薄く塗布して、性能を落とさずに防御力を高める方法でケアしています。

次回のOHまで、不具合のない快適な釣りができるよう、気づいた部分は少しずつ通常より強めの仕上がりにし、パーツをより長く維持できるようケアしています。

 

 

関連記事

最近の記事

  1. TC-01R(トライアングル)右ハンドル入荷しました!

  2. ダイワ スパルタンIC150Hのオーバーホール

  3. シマノ 20メタニウムXGのベアリングチューン

TOP