シマノ 炎月プレミアムのクラッチ修理

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ炎月プレミアム151HGの修理依頼です。クラッチが切れなくなったとのことで、動作の改善とその他の部分も点検整備していきます。

この機種は2018年に発売された鯛ラバを主眼に置いたリールで、フォールレバーを搭載することで、フォールと巻きの両方でバイトを誘うことができる設計になっています。レベルワインド連動構造にすることで、スムーズなラインの放出が実現し、フォールスピードを正確にコントロールできる仕様になっています。カウンター表示で巻上げのスピードを表示することで正確な等速巻きが可能となり、警戒心の強い大鯛にも口を使わせることができるよう工夫されています。

クラッチが切れなくなった場合、ほぼ間違いなく塩ガミによる固着がどこかにあります。分解していく段階で、固着している部分があると、すぐにわかりますので、固着の度合いによって適した対処法で解消していきます。

今回のケースでは、よくあるパターンですが、ピニオンギアとベアリングの固着によりクラッチレバーが動かない状態になっていました。

フォールレバーで頻繁にブレーキキャップ部分を動かすことで、海水を誘導しやすくなるのか、このベアリングは錆びていることが多いです。スプールシャフトを伝って海水が入り込む場合は、スプール側のベアリングとピニオンギアが固着していますので、どちらも塩の被害を受けやすい箇所ということになります。

予防する方法は注油しかありませんが、フォールレバーになったことで、外すのも面倒になっており、スプールも簡単に外せない構造のため、ケアが難しいリールになってしまいました。もちろんフォールレバー部にもOリングによる防水構造は施されていますが、固着しているケースの多さを見ると、もう少し防御力を高めないと安心して使うことができない感じです。

当店でオーバーホールする際は、ピニオンギアのベアリング2か所は、特殊なグリスで全面シールを施しますので持ちは良いと思いますが、十分ではないので、やはり定期的なOHが必要になります。

レベルワインド部やウォームシャフトギア周りは、汚れは多少あるものの錆びはわずかで、固着するような感じはありません。

 

本体内部もピニオンギアの錆びつきが信じられないようなきれいな状態なのでちょっと安心しました。

スプールシャフトにも塩による傷みは全くありませんので、やはりフォールレバー付近、本体カバー側から海水が浸入しているようです。

ギア周りにも被害はほとんどないので、防錆・グリスアップをして整えます。

「巻いて」「落とす」を永遠に繰り返す釣りで、海水を引き込む量もエサ釣りとは比べ物にならないので、定期的なケアが必要なリールです。

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