こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、シマノ 15オシアコンクエスト300HGの動作不良改善のためのオーバーホールです。クラッチレバーが上がっている状態でもスプールがフリーの状態になることがあり、塩ガミでハンドルも重たいとのことです。
4年前から定期的に何度か作業させていただているリールで、塩ガミにより不調が出始めるころにいつもご依頼をいただいているご常連様です。
2014年に登場したオフショア専用のオシアコンクエスト200シリーズ、翌年2015年にこの300シリーズがリリースされました。異次元の滑らかさと耐久性を併せ持つリールで、細糸で大物と渡り合うことを可能にしたその完成度の高さは、多くのコンクエストファンを魅了しました。オフショアリール初のマイクロモジュールギア搭載、各主要パーツの高耐久化、カーボンクロスドラグワッシャー、ストレスフリーレベルワインドなど多くの新技術が投入されています。
このリールは、毎年かなりの回数使用されている、いつもご主人の側にいる相棒的なリールなのだと思います。
内部を見ていくと、全体に塩ガミが多く、所々に錆びが出ています。
各所で錆びによる固着が起こっており、動作不良を起こしています。レベルワインド周辺のパーツはほぼ錆びており、ベアリングは全く回転していない状態です。
各ギアの歯にはグリスが残っているものの、その他の部分には塩の結晶ができており、腐食も発生し始めています。
高耐久ステンレス製のパーツは大丈夫ですが、それ以外のパーツは塩にやられており、動作不良の原因となっていました。
今回のクラッチ動作不具合の原因は、クラッチカム押さえ板というピニオンギアをスライドさせクラッチのオンオフをサポートするパーツが、塩で径が太くなり動作不良を起こしていました。
そのため、クラッチを上下してもピニオンギアは途中で引っ掛かってスプールと連結しない状態が起こっていました。こちらのパーツは、通常のアルミパーツのため、塩による腐食が起こっており、新しいものと交換が必要となりました。
交換することによりクラッチレバーに連動したピニオンギアの動きを取り戻しました。いかに高耐久ステンレスによるパーツでも、ひどい塩ガミにはかないませんので、丁寧な水洗いと定期的なオーバーホールで正常な状態を持続できるよう気を遣ってあげましょう。