シマノ 16ビーストマスター3000XPのオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ 16ビーストマスター3000XPのオーバーホール依頼です。,電動リールについては、構造上、簡単にスプールを取り外したりできないため、日頃の水洗いや清掃・注油がしにくく、一定期間が経過すると汚れと塩ガミにより錆びや腐食が発生しやすくなります。

これまでに数多くの電動リールをオーバーホールしてきましたが、塩ガミによるベアリングの錆びや腐食などがないものは見たことがありません。どのメーカーのどの機種もほぼ同じ状況だと思います。

また、電動リールは強力なモーターが巻上げを行なうため、手巻きリールのように違和感レベルの時に気づくことは難しく、ハンドルが回らないとかクラッチが動かないという状態になって初めて気づくことがほとんどです。したがって、特に異常は感じないという状態でOHを受けても、内部はたいていまあまあな状態になっています。

このリールは、2016年に発売となった電動リールで、シマノ最上位機種にふさわしいパワーとスピードを備えたモデルになっています。従来の同シリーズにさらなる改良を加え、パワー重視のXPで最大ドラグ力20kg、巻上げ力88kgという驚異的な数値を叩き出しています。これは6000番に匹敵するパワーで、マグロや泳がせで狙う巨魚、スルメの20点掛けも対応できるスペックです。

今回のご依頼も、特に気になる点はないということで、比較的状態は良いと思われますが、内部を見ていきます。

それほどヘビーな使用感はなく、全体的にきれいな状態です。

フレームには汚れや塩ガミは少なく、通常ならコマセやウロコが付着していることが多い部分も悪い状態ではありません。

セットプレートにも適度にグリスが残っており、各部の動作もスムーズです。

ギア周りも摩耗はなく良好な状態を維持しています。

 

これほどの良好な状態でも、必ずと言ってよいほど錆びているレベルワインド部のベアリングを見てみると、やはり全く回転していません。

 

シマノ独自の高耐久ベアリングですが、やはり塩にやられてしまって。ウォームシャフトに固着していました。当店でもこの部分は高耐久ベアリングに加え、塩に強いグリスで防錆を施します。それでも2年後には錆びて回転不良になっていると思います。これは定期的に交換する以外防ぐ方法が見つかりません。

ハンドルノブに若干カタツキがありましたので、シム調整によりきれいに仕上げておきます。

恐らく大物相手の激しいファイトが繰り広げられますので、電動リールはできれば毎年、遅くとも2年に一度は分解清掃・グリスアップをしてあげた方が安心です。

 

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