ハンドルノブのベアリング交換(高難易度)

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ハンドルノブの回転がゴロゴロしているケースで、内部のベアリングを交換してガタツキを調整するという通常のOH内のオーソドックスな作業のはずが、ちょっと経験がないと対処が難しい状況のご紹介です。

ジギングなどで使用されるリールのハンドルで、海水に晒されやすい部分なので、ほとんどベアリングは回転不良になっており、OHのたびに交換になる個所です。

 

今回もかなりゴロゴロと悲鳴を上げている状態でしたので、さっそく内部のベアリングを交換しようと分解してみると、内部でベアリングが崩壊しておりリング状の構成パーツがバラバラになっている状態でした。

 

このケースは、どのように起こるかというと、まず内部に海水が浸入し、錆びが発生します。その後、ベアリングの外輪とハンドルノブの内部が固着します。ベアリングの外輪だけが固定された状態で、ノブが動くため、特にこのような渾身の力でハンドルを握るようなリールの場合は、ベアリング自体が破壊されるというメカニズムです。

壊れたベアリングを新しいものに交換すればいいだけでは?と思うかもしれませんが、このままでは新しいベアリングを入れることができません。先ほどのご説明のとおり、ベアリングの外輪がハンドルノブ内に固着して残っているためです。

この固着した外輪を外すのが、意外と難しく、メーカー修理なら迷わずノブごと交換になります。

固着した部分さえ取り除ければ、ベアリング交換で修理できますので、外輪を取り除いていきます。

まず、浸透性の高いオイル(弊社ではMBOを使用します)を塗布して、しばらく置いてから、同サイズのベアリングを入れて軽く打撃を加えていきます。優しく50回も叩けば固着も少し剥がれ、オイルが浸透していきます。

その後、独自のTOOLで固着した外輪を引っ張り出します。これも簡単には出てきませんので、根気強く傷つけないように続けます。

しばらくすると、固着が剥がれて動き出すので、取り除くことができます。ご自分でOHをやる方は経験があるかもしれませんが、ベアリングが錆びると意外と破壊されていることが、いろいろな個所で起こります。ほとんどの場合外輪だけが固着して残ってしまい、悩ましい状態になります。

これをクリアーできれば、あとは錆びをきちんと除去し、防錆処理をしてから新しいベアリングを挿入れば完了です。

ジャラジャラと不快な感触のハンドルノブが、音もなく滑らかな状態に戻り、快適な状態になりました。

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