シマノ 07ステラ1000Sの回転不良改善

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ07ステラ1000Sの「ハンドル回転時に振動があり重たい」という症状の改善依頼です。

このリールは2007年発売の言わずと知れたシマノスピニング最高峰です。AR-Cスプール、超々ジュラルミン+特殊表面処理のマスターギア、整然としたラインの巻取りを実現するエアロラップシステム、3BBオシュレーション、フローティングシャフト構造の採用など数え上げたらきりがないくらいの技術をつぎ込み、「ただ一つの選択」と位置付けられたリールです。

非常に耐久性の高いギアの採用により、ギアノイズのひどいリールは小さな番手ではあまり見たことがありません。ゴム素材のパーツ交換や、ローラー内バランスウエイトの再接着など修復が難しくない症状が多いのが07ステラの特徴です。

今回のリールもハンドルが重くなり、引っ掛かる感じがあるとのことでしたので、フリクションリングが原因であることはほぼ決まりです。その影響でその他の部分に摩耗や破損が出ていないと良いのですが、さっそく全パーツをチェックしていきます。

スプール内ドラグ部や、ベール部分、アームカムは摩擦による汚れがありますが、平均的なもので特に心配はなさそうです。きれいに清掃してから、急激な摩耗が起こらないようグリスで保護しておきます。

 

ローターを外すと、やはりフリクションリングが溶解していました。

 

従来のゴム素材のものからシリコンに改良されたもので、あまり溶解していることはないので珍しい現象です。除去は天然ゴムのものよりはるかに容易ですので、割と簡単に除去できました。こちらは、後継機種のものがありますので、新しいパーツを補充しておきます。

内部も見ていくと、やはりマスターギアは摩耗も少なく良好な状態です。ピニオンギアも摩耗や小傷はほとんどみられずノイズはほぼ出ていないと思います。

 

オシュレート機構部のウォームシャフト、ギアもグリスが残っており、全く問題のない状態です。

  

手入れをしながら大切に使っていけば、まだ年々でも使えると思いますので、これからもたくさんの魚を連れてきてくれるはずです。

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