ABU AMBモラムSX3601CMAGのオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ABU AMBモラムSX3601CMAGのオーバーホールです。クラッチの動作が緩慢で、飛距離もだいぶ落ちてきたので、必要なケアをしてほしいとのことです。

このリールは、当時の最先端技術のすべてをABUの伝統であるラウンドシェイプの中に盛り込み、トッププロからビギナーまで楽しくキャスティングできるモデルとなっています。サイドカップにあるダイヤルでブレーキの強弱を瞬時に調整できるマグネットブレーキを搭載し、スプリットシャフトスプールやセラミックガイドリングの採用など新技術を惜しみなく注ぎ込んだ傑作となりました。

早速内部の状態を見ていきます。

全体的にグリスより汚れの方が多い感じで、グリスも当時のものが残っている状態なので、劣化して硬化しています。この状態では、すべての動作が緩慢になりますので、シャキッとした切れの良い動きはできない状態です。

このお客様は、バスフィッシングが日本に伝来したころからのバス歴の方で、生粋のバサーなので汽水域での釣りは多少あっても、塩分の多いフィールドでは使用しません。塩に弱い素材も使用されているので、淡水のみ使用だと各パーツの状態は良好に保たれます。

セットプレートの状態は各部が潤滑不足で、残ったグリスも汚れています。腐食や欠損はありませんので、清掃グリスアップで良好な状態になると思います。

 

レベルワインド周りも汚れを落として、きれいなグリスで仕上げてあげれば大丈夫です。

 

ギア周りにわずかな摩耗はありますが、まだまだ不具合の心配はなさそうです。

この機種では、たまにクラッチスプリングが弱っていたり、中には折れてしまっているものもあります。メーカーの在庫はすでにありませんので、当店では特注で製作してもらったものに換装しています。当時も物より高品質なスプリングになっていますので、小気味の良いクラッチ動作が蘇ります。

飛距離の低下については、やはりスプールのベアリングが劣化していました。新しい高速回転向けのものに交換して、元の状態かそれ以上の回転性能にすることができます。

スプールを指で弾いたり、ハンドルを勢いよく回してクラッチを切る動作でスプール回転を見る人がいますが、実際のキャストではそのレベルの回転数ではないので正確には分かりづらいです。キャストしてみて初めて違いが体感できますので、せひフィールドでキャストしてみてください。

 

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