ABUアンバサダー4600Cガンナーのオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ABU AMB4600Cガンナーのオーバーホールです。キャスト時に異音がすることと、飛距離が全く出ないので改善して欲しいとのご依頼です。このお客様は、もう1台AMB4600C RDも一緒にご依頼いただき、こちらはハンドルを回してもスプールが動かない状態でしたので、修理扱いとなりました。

 

どちらもすでにオールドの域に近づいてきているリールですので、パーツの供給はなく、破損パーツがあると入手が難しい状況です。RDの方はパーツの欠損がいくつかありましたが、当店にパーツが残っていましたので、そちらを補充して正常な状態に戻すことができました。

4600Cガンナーの方を詳しく見ていきます。まず動作確認をしてみると、ハンドルが異常に重たく、何とかリーリングできる状態で、スプールもほぼ回転していないような状態でした。

スプールベアリングの回転不良でもここまでの状態にはなりませんので、他にスプール回転を阻害する原因があるはずです。

順番に分解しながら各パーツの状態を見ていきます。

 

ボディ内部、セットプレートには錆びは出ておらず、比較的きれいな状態でした。ただ、グリスがほぼありませんので、潤滑はきっちりしてあげる必要があります。

 

ドライブギアやピニオンギアも乾いていますが、歯の状態はよく、それほど使い込んでいない感じですので、良い状態にできそうです。

スプール内部にあるベアリングは、回転ノイズを発しており、要交換の状態でした。こちらはスプール部なので、高速回転向けのオイルベアリングに換装します。

メインシャフトに通した状態でのスプール回転は良好で、おかしな点はありません。たまに見かけるのが、遠心ブレーキのブロックがリムにはさまれて変形してしまい、回転の障害となっているケースです。今回はそれもありません。

 

レベルワインド部を見てみると、ウォームシャフトがかなり汚れています。粘土のような汚れが全体に付着しており、プラスチックパーツの部分がほとんど回転しない状態になっていました。このため、スプールが回転せず、重たい状態になっていました。

こちらは分解できないパーツなので、専用の洗浄液に付け込んで粘着性の汚れを溶かしていきます。3分間浸けておくと、汚れは概ね除去できますので、そのあとエアー洗浄をして、防汚剤とオイルで仕上げておきます。クロスギアの歯はグリスアップにより整えます。フレームの汚れも使用に影響が出そうなものは落としておきます。

これで本来の性能が蘇ったと思いますので、存分にルアーフィッシングを楽しんでいただきたいと思います。

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