ABU レボビッグシューター60WMのオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ABU レボビッグシューター60WMのオーバーホールです。最近飛距離が落ちてきた感じがするので、全体のオーバーホールと同時にスプール回転も見て欲しいとのご依頼です。

このリールは、2016年に登場したモデルで、大口径ギアの搭載でショアジギングから淡水の大型魚までターゲットにしたモンスター専用のロープロデザイン ベイトキャスティングリールです。ソルトでのジグやビッグプラグのキャストはもちろん、雷魚のフロッグゲームにも使える回転性能の良さが特徴です。ハンドル1回転で107cmの巻き取り量で、最大ドラグ力はなんと10kgと驚きのスペックです。

内部の状態を見ていくと、やはりかなりパワフルな釣り方で酷使されていることが各所から見てとれます。

本体内部のグリスは汚れて硬くなっていますので、きれいに除去し新しいグリスを塗布します。

レベルワインド周りは一見十分な潤滑が確保されているように見えますが、やはりグリスが汚れて硬化していますので、潤滑は見た目よりも不十分な状態です。きれいに落としてから十分なグリス塗布を行ないます。

 

ギア周りも同様で、グリスが乾いて硬くなっていますので、このままだとギアの摩耗がさらに進みノイズが大きくなりますので、強めのグリスで摩耗を抑えられるようケアします。

 

ギア軸周辺は水分が混入したようで、ベアリングがゴロゴロとノイズを発しています。ベアリングを交換しリーリングの滑らかさを少しでも取り戻せるようにします。

 

MAX10kgを叩き出すドラグ機構の構造は特別で、カーボンクロスのワッシャー3枚がワッシャードラムというケースに収まる形になっています。

ワッシャーも大型スピニングリールで使われている耳付の形状で、滑りを抑えて強烈なドラグ力を引き出せるよう工夫されています。

こちらのモデルは、ハンドルノブ内にベアリングではなく、錆びないプラスチックカラーを使用しているため、若干ガタツキが出やすいため、OHのたびにシム調整をしてガタツキを解消しておきます。

10kgのドラグ力なので、ドライブギア、ピニオンギアの摩耗は通常のリールより大きくなりますので、多少のノイズは仕方ないものと考えましょう。怪魚と戦うにはこのくらいでないと無理ですから。

 

 

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