こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、ダイワ ミリオネアCV-Z250SFのオーバーホールです。ハンドル回転がほとんど不能で、このままでは使用困難な状態なので、改善可能かどうか見て欲しいとのご依頼です。
このリールは、2004年に登場したミリオネアCV-ZのFシリーズの一つで、翌年に新発売となったモデルです。無垢のアルミニウムから削り出されたオールマシンカットのフレーム、サイドプレートを採用し、正確無比で歪みのない強靭なボディを作り上げています。結果として巻き心地、パワーともに秀逸のリールが出来上がり、大人気となりました。ドラグ機構には、新素材のワッシャーを3枚内蔵するハイパートーナメントドラグを搭載し、力とスムーズさを両立した安心のシステムとなっています。ベアリングには高耐食のCRBBを装備し、塩に対する防御力も高い仕上がりになっています。
今回のリールは、このままではほとんど使用不能というくらいの巻き心地になっており、現状確認も難しい状態なので、分解しながら悪い部分をチェックしていきます。
本体内部は塩ガミが多く、主要部分に錆びも出ている状態で、ほとんどのパーツが終了している状況では、基本的に今あるパーツをできるだけ再生して使用していく方法しかありません。
まず全パーツの塩を落とし、防錆処理をしていくことで元のスペックに近づけるよう復活させていきます。
この機種でよくあるギア軸根元のベアリング固着、あるいは破損ですが、取り外すにはオイルや工具など工夫しないとなりません。今回もやはりベアリングは錆びて完全に固着した状態ですので、超浸透力のMBO(当店のオリジナルです)を使って外していきます。
クラッチレバー周りも塩ガミでスムーズに動かなくなっていますので、塩の除去と防錆・グリスアップにより滑らかにします。
レベルワインド周りは塩ガミが多く、動きが重たくなっています。専用の洗浄液とブラシできれいにしてからグリスアップをします。
ドライブギア、ピニオンギアは完全に潤滑不足で、塩が歯の部分に溜まっていますので、除去してグリスアップします。
ハンドル回転不良の原因は塩ガミだけでなく、LSプレートギヤーの歯が破損していることが主原因でした。こちらは新しいギアの在庫がありましたので、交換して改善します。
プラスチックのギヤーは経年劣化でも割れたりしますので、当店でも少しは在庫できるようしていますが、無くなると修理不能となります。全種確保はなかなか難しいので、運が良ければ修理できるという感じです。今回は良かった~という結末でした。