こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、シマノ 19エンゲツCT151HGのオーバーホールです。クラッチが動作不良を起こしているため、修理して欲しいとのご依頼です。同時にバルケッタCI4+201HGもご依頼いただきましたが、こちらもクラッチの状態が良くないため改善が必要な状態です。
このリールは、2019年に登場したカウンター付きの鯛ラバ専用機になります。全モデルから鯛ラバファンには人気のシリーズでしたが、フォールも自在に操ることができるようフォールレバーを装備して進化したモデルです。カウンターにはもちろん巻きのスピードを数値で表示し、この釣りに必須のテクニックである等速巻きを確信をもって実現できる工夫がされています。マイクロモジュールギア、HAGANEボディが余計なノイズを消し去り、真鯛のわずかな中りも察知できる滑らかさを確保しています。
このタイプのリールは内部に塩ガミしていることが多く、どうしてもしばらくの間使用しないと、ベアリングとピニオンギアが固着し、クラッチ動作がおかしくなります。やり方さえ覚えればフォールレバー部は比較的簡単に開けられますので、浸入した海水を取り除き、オイルアップすることで固着を避けることができます。
本体内部を見てみると、やはり若干塩ガミしており、パーツの固着が散見されます。特にギア軸に接触している部分の固着と、ピニオンギア上部のベアリングとの固着が強く、無理な負荷がかかるため弱いパーツから変形・破損が生じます。
内部の塩ガミに比べて、レベルワインド周りは状態は良好で、グリスがきちんと効果を発揮していました。
ドライブギアの歯に塩と緑青が発生していますので、除去のうえグリスアップして状態を整えます。
クラッチカム周りの押さえ板という比較的柔らかいパーツが、本来まっすぐに伸びる2本のガイドが変形し、破損していますので、新しいものに交換しました。
スプールシャフトの先端に近い方に錆が出ています。ここはちょうどベアリングとピニオンギアが錆びて固着していた部分なので、スプールにも錆が出始めていました。錆びは徹底的に除去し、防錆剤とオイルで錆びを根絶します。
通常のメカニカルブレーキキャップよりは少し手間ですが、構造はそれほど難しくないので、フォールレバーを外して注油をすることを覚えてしまえば、トラブルはだいぶ減らすことができると思います。ぜひお試しください。