こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、ABU ＡＭＢ4600Cクラシックのオーバーホールです。ドラグの効きが弱いのでチェックをしてほしいとのご依頼です。元々それほどドラグ力がある番手ではありませんので、沖釣りで使用する場合はドラグ力不足になることが多いですが、長年使用している方が違和感を感じる場合は、大体原因はあります。それを見つけて改善していきたいと思います。
この機種は、ドラグ座金が3枚づつとスプリングワッシャーが2枚という構造で、それなりのドラグ力が出るはずなので、関連パーツを一つずつチェックしていきます。
よくあるケースはドラグ周りに注油をしてしまいナイロンワッシャーの滑りに抑えが効かなくなっているパターンです。今回のリールは、ドラグ周りにオイルはそれほど入っていませんでした。こちらは、きれいに洗浄して組み上げます。この機種のドラグ周りは基本グリスレスで組み上げますが、きょく圧性高めのグリスを薄く塗布してもOKです。今回はグリスレスで組み上げて、規定のドラグ力が出るようにします。
ボディ内部の状態は、グリスが古くなって固まっている部分と、液状化している部分があり、全体に潤滑は不足している状態です。一度きれいにしてからグリスアップして整えます。
レベルワインド周りは、若干の汚れはありますが、錆びなどはなくまずまずの状態です。
ドライブギアの状態も良く、グリスアップし直すことでこの状態を維持できそうです。ピニオンギアについては、溝部分に若干の削れが見られますが、ギア抜けするレベルではないので、エッジ部分だけ少し整えておきます。
ギア軸周りに古いグリスが残っていますので、除去してきれいなグリスで仕上げます。
ワンウェイクラッチも錆びなどなく、正常な状態でした。専用のグリスでケアしておきます。
ドラグ力は規定の数値になっており、改善しましたのでこれで大丈夫だと思います。かなり大きめなパワーハンドル仕様になっていましたので、本来のドラグ力でも少し足りない相手なのかもしれません。あまり無理をすると、ギアやスタードラグ周りのパーツが破損しますので注意しながら使っていただくと良いと思います。