こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、シマノ オシアジガー1000HGのハンドル回転時ゴリ感についてです。
この機種は、名前から分かるようにジギング専用機です。ジギングという釣りの特徴として、塩が濃くて潮流が速い場所がポイントになりますので、通常の海釣り以上に塩によるダメージを大きく受けます。
そのうえスピード感のある激しいスタイルの釣りですので、海水を被ることも多くリールにとってはこれ以上ないくらい過酷な環境で使用されます。
実際、Selffishで様々なリールをOHさせていただきますが、ジギング用のリールは1シーズンの使用でもその他のリール3年使用分くらいの状態になっていますので、いかにコンディションを維持するのが大変かが分かります。
リールのハンドル回転時ゴリ感は、多くの場合、ベアリングの回転不良かギアの摩耗、あるいはその両方が原因です。今回のリールは、ベアリング数個が回転不良になっていましたが、ドライブギア、ピニオンギアからも手に伝わる振動が出ていました。
ギアが発するノイズについては、ほとんどがギアの歯の摩耗ですが、今回のように緑青という錆びの付着による場合もあります。特にジギングなど塩の濃い場所で使用するリールはこのパターンが多いです。
緑青とは、銅や真鍮が塩・水分と反応して酸化することで発生する緑色の錆びです。
これが意外ときっちり付着しており、歯ブラシで擦るぐらいでは落ちないほどの硬さにもなります。そのため、ギアの歯の形状が変わり、ゴリゴリした感触が出てきます。ワイヤーブラシで落としてグリスアップすることで、かなり解消できることもありますが、カッターの刃でなければ落とせないような場合もあり、最悪のケースではギア交換となります。
通常のリールが1~2年に一度オーバーホールするサイクルであれば、ジギング用は8カ月に1回くらいの分解清掃とグリスアップが必要になります。Selffishでは、通常のグリスより塩に対する防御力が高い強めのグリスをこの手のリールには使用しますが、それでもちょっと長く使用しすぎると、緑青だらけになっているので、要注意です。ランニングコストがかかるリールですが、獲物の強さ、大きさ、興奮度を考えると、まあ仕方ないのかなと思います。遠征のたびにリールがだめになるという方もいるので、釣行後の念入りなお手入れと早めの分解清掃が長持ちさせるには不可欠なリールです。