シマノ14ステラ1000PGSの整備・修理

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ14ステラ1000PGSのオーバーホール依頼です。巻き感が非常に悪くなっているので、新品時のような滑らかな状態にしてほしいとのことです。

現状確認でハンドルを回転させると、たしかにステラらしさは全くなくなっており、海で酷使した感じの状態です。恐らくギア周りはかなりのダメージを受けていると予想できたので、ドライブギア、ピニオンギアを確保しておきます。

このお客様は、とにかくリーリングに軽さを求めるスタイルのためギア比の低いパワーギア仕様を好んで使っていますので、仕上がりもできるだけシルキーさと軽さを高い次元で両立できるよう作業していきます。

ドラグ周りはカスタムメーカーのグリスが塗布してあり、良好な状態を保っていました。

ハンドルを回転した時のゴツゴツした感じは、本体カバーの固定ボルトが緩くなっていたことが原因でした。

本体カバーを既定のトルクで締めつけていても、超高速巻きなど微振動を発生するテクニックを繰り返すと、徐々に緩みが生じてきます。このボルトの緩みにより、定められた遊び以上のガタツキがギアに生じるため、ドライブギアとピニオンギアの歯には、非常に過酷な試練となります。

Selffishでは、リールの大きさ、用途に応じて必要な強度の緩み止めを塗布し、既定のトルクできっちりと締め付けを行なっています。

ソルト専用の大型スピニングリールでは、このボルトは絶対に緩まないように、かなり強力なネジ止め剤を塗布するくらい既定のトルクで締めつけられていることが重要な個所になります。小型のスピニングリールではそれほど強力なねじ止め剤ではありませんが、それでも中強度タイプのものが塗布されています。

そこまでしていても想定外のリーリングテクを駆使する達人クラスの方は、定期的に締め付けをチェックしないとギアが短期間にズタズタになりますので注意が必要です。

 

このリールもやはりドライブギアとピニオンギアだけが変形・摩耗しており、この部分だけグリスが真っ黒になっていました。ウォームシャフトや中間ギアなど本体カバーにあまり影響を受けない部分のギアは良好な状態で、グリスもきれいな状態でした。

14ステラについては、純正パーツの供給終了が近づいています。今回はギリギリセーフで、心臓部が新品になりましたので、本来のシルキーなステラに戻すことができましたが、主要ギア周りの交換はできるうちにしておいた方が安心です。

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