シマノ 01ステラAR2000のハンドル回転不良

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ 01ステラAR2000のハンドル回転時のコトコト感解消のためOH依頼となりました。

この機種は、2001年に3つのSをコンセプトに誕生した全く新しいスピニングリールとして、時代を先取りした最先端のリールでした。3つのSとは、「Smooth」「Silent」「Strong」。ハンドル回転、ドラグ性能、ライン放出のすべてに滑らかさを追求、余分なノイズは一切消し去り、力強い巻き感と耐久性を実現したリールです。

20年以上経過した今でも、大切に使っているファンが多く、オーバーホール依頼も頻繁にいただいています。

この当時の小さめの番手のスピニングの弱点は、やはりフリクションリングです。ほとんどのものは劣化して溶解している時期ですが、すでに取り除かれているものもあり、後継機種に装備されているシリコンゴムのものを代用します。

今回のリールも、フリクションリングは溶解し、ローター内部に貼りついていました。そのゴムの塊りに内ゲリレバーというパーツが引っ掛かり、コトンコトンと振動が出ていました。ローター内に貼り付けられているバランスウエイトにもぶつかり、ウエイトが外れていました。

溶解したゴムは残しておくとあらゆるものをだめにしますので、きれいに除去します。

  

こんな感じです。ローターもきれいに、そしてバランスウエイトは取れてしまいましたので、再接着します。

 

この鉛がローター内部で悪い位置に来ると、ハンドルが完全に止まり、巻き取りできなくなります。今回はその一歩手前でした。

ギア周りは比較的摩耗も少なく、まずまずの状態でしたので、できるだけギアを大切にしながら、長持ちさせられるよう仕上げます。

 

スーパースローオシュレートなど新機能のための複雑な構造であるため、デリケートなリールになっていますので、落下などの衝撃ですぐに破損してしまいます。

スプール径も従来より大きくした上に軽量化されていますので、落とすと簡単に変形します。丁寧に大切に扱われてきたものだけが、現在も活躍し続けているという貴重なものです。

外観も古さを感じさせず、まだ最近のものだと思っていましたが、オールドの仲間入りも近くなってきているリールです。

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