シマノ 21ツインパワーXD4000XGのハンドル固着

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ 21ツインパワーXD4000XGの修理依頼です。

しばらく使わないで保管していたら、ハンドルが全く回らなくなってしまったとのことで、思い入れのあるリールなので何とかしたいとのことです。

2021年に新登場したツインパワーXD。MGLシリーズ最強の耐久性を実現し、タフで軽快なリールに仕上がっており、ロッドを選ばない使いやすい機種になります。ギアはもちろんHAGANEのマイクロモジュール、HAGANEボディにチタンベール、カーボンクロスドラグワッシャーの採用など、上位機種に劣らない性能を備えた超軽量モデルです。この4000XGはハンドル1回転で1mオーバーの巻き取り量があり、超高速巻きでもストレスなく使用できる万能リールです。

今回のようなハンドルが全く回らないという状況を、このリールでは結構な回数見ましたので、原因はすぐに分かりました。ピニオンギアとメインシャフトの固着です。まるで接着剤を使ったような固着の仕方で、無理に力を掛けるとドライブギアとピニオンギアがだめになります。

ここがくっついてしまうと、分解に少しパズル的な工夫が必要になり、通常のプロセスでは分解ができません。

何度か経験して手順は心得ていますので、分解はスムーズに進み、ピニオンギアとメインシャフトの固着部のケアに入ります。通常の修理であれば、どちらも新しいものに交換して正常な状態に戻しますが、今回はできるだけパーツを再生しつつ、使用できる状態にしていきます。モンスター級を狙う冬前に、再度フルオーバーホールをするとのことなので、その時にギア周りとメインシャフトの交換をして、完全な状態に仕上げようと思います。

今回は固着部分を浸透性の高いオイルで溶かしながら取り外していきます。

 

固着した部分は表面が傷んでいますので、丁寧に研磨してザラツキとノイズをほとんどない状態まで仕上げます。

サーフでの使用がメインのお客様なので、固着部以外にもベアリングやベール部、ドラグ部にも不具合が出ており、砂利や錆びの除去とグリスアップで状態を整えます。ドラグ部も突然訪れる大物とのファイトに備えて、十分な状態にしておきます。

組み上げてみると、やはり若干ギアノイズはありますが、ビッグフィッシュと戦うための基本性能は取り戻しましたので、これであと4か月使用してから本格的に新品状態に持っていく予定です。

今シーズンをきっちり活躍してもらい、冬のモンスター級出現の前に新品状態まで蘇らせるという計画で、お客様専属のメカニックのように伴走していきますのでよろしくお願いいたします。

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