シマノ 11ツインパワー4000XGのオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ11ツインパワー4000XGのオーバーホール依頼です。ハンドル回転時のゴロゴロ感が強く巻き心地が悪くなっているので、できるだけ元のシルキーな状態に戻すことができればとのことです。

このリールは、2011年に新発売となったツインパワーのニュータイプで、1年前に誕生した10ステラに搭載している新技術の多くを取り入れ、革新的な進化を遂げたモデルです。X-SHIPギアシステムを搭載し、驚くべき回転の軽さ、高感度、ハイパワーを実現しました。またAR-Cスプール、リジッドサポートドラグなど高い実釣能力を備えた人気のモデルとなりました。

今回OHさせていただくリールは、ハンドル回転時のノイズが大きく、ツインパワーに相応しくないフィーリングになっており、これではせっかくの上位機種がほとんど本来のパフォーマンスを発揮できていない状態です。

全パーツをチェックして、可能な限り良いコンディションに持っていきたいと思います。

順番に分解しながら、パーツの状態をチェックしていきます。

まずスプール内のドラグ部を見てみると、きちんときれいなグリスが塗布されており、ご自分で丁寧にメンテナンスされているのが分かります。通常水分が混ざっている箇所ですので、この状態なら本来のドラグ性能を発揮していると思います。

 

続いてローター部、アームカム周りの状態は、グリスがだいぶ劣化しており、もう一歩で汚れに負けそうな状態です。この部分は砂利が混入すると、摩耗が進みやすく、ベールの気になるガタツキ感の原因になりますので要注意です。分解して清掃できれば一番なのですが、バネが内蔵されているため、不用意に分解すると飛び出してしまうため、構造を熟知している人に見てもらうのが良いと思います。日頃は水洗いとブラッシングで清潔に保っておくのが良いと思います。

ラインローラー部のベアリングは錆びてゴロゴロと大きなノイズを立てており、内蔵しているラインローラーからーという アルミのパーツが割れていました。ベアリングとカラーを新しいものに交換します。

続いて、本体内部を見ていくと、水分の浸入はほとんどなさそうですが、グリスはだいぶ劣化していますので、除去して新しいものを再塗布します。当時のものより現行のシマノ純正グリスははるかにクオリティが高くなっているので、再塗布と言っても全く別物のような仕上がりになります。

 

ウォームシャフト、摺動部も同様に新しいグリスに塗り替えていきます。

ちょっと心配だったドライブギアは、非常に良好な状態で、さすがはツインパワーという感じです。

一方、ピニオンギアはやはり歯の表面がザラザラになっていましたので、ブラシ研磨により表面を整えてからグリスアップします。

ギアを支えるベアリングはほぼ要交換の状態になっていましたが、原因のほとんどがベアリングであったのは非常に良かったと思います。新しいものと交換し、新品のような状態になります。

残念ながらギアの新品パーツは入手できませんでしたが、ドライブギアがこの状態ならグリス切れなど起こさない限りしばらくは安心です。まだまだ現役で活躍できる「釣れるリール」の筆頭です。

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