シマノ20ステラSW20000PGのオーバーホール

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、シマノ20ステラSW20000PGの1年点検のご依頼です。ゴリ感が出てきたので見て欲しいとのことです。

今シーズンは各地で、近年にはない大物とのファイトが繰り広げられているようで、ドラグが壊されているリールがたくさん出ています。メインシャフトの変形やドラグ周りの破損、スプール自体の破損なども見られます。

今回のリールは昨年も作業させていただいたもので、まだまだ新品のような状態のきれいなリールです。しかしながら、あまりの負荷により、各部が悲鳴を上げている状態がよく分かりました。

各部を細かく見ていきます。

まず、かなりの高負荷でハンドルを回したため、ハンドルが外れない状態になっていました。塩による固着で外れないハンドルはありますが、魚とのファイトにより外れなくなったハンドルはそれほど多くありません。ギアに余計な負担を掛けないよう注意しながら、ハンドルを外します。

気になるドラグ部、スプールの傷みがないか見てみると、新しいヒートシンク機構の効果でドラグワッシャーの破損はほとんどなく、良い状態です。しかし、固定ボルトはかなり緩みが出ており、危険な状態でした。

 

こちらは強烈な負荷と微振動により少しずつ緩んでくるので、定期的に増し締めをしておくと安心です。当店では、微振動によるネジの緩みに効果が高いネジ止め剤を使用して組み上げますので、より緩みが出にくい仕上がりにはなりますが、それでも定期的なチェックが欠かせない個所です。

内部のギアの状態は予想に反して良好な状態で安心しました。

 

摩擦によるグリスの汚れはありますが、次のファイトを考えて、通常より持ちの良いグリスを塗布しておきます。

ウォームシャフト・摺動部は1年にしてはグリスが汚れていますので、やはり大きな摩擦が生じた跡が出ている感じです。

 

ベール周り、アームカム部はきれいな状態です。ベールの変形もなく良好な状態です。

 

ゴリ感の原因はドライブギア部のベアリング破損でした。渾身の力でハンドルを回したために、支点に位置するベアリングが負荷に耐えられず破損したようです。こちらは、新しいものと交換し、ノイズの解消を図ります。

100kgを超える魚と戦うので、リールへの負担は無いわけがないのですが、最小限に抑えながら、戦いに勝利できる状態を常に維持しておきたいところです。

 

 

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