こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、シマノ17オシアジガー1500HGのオーバーホールです。オシアコンクエスト200HGと合わせて2機のご依頼です。使用感が悪くなってきたので、オーバーホールによってリフレッシュして欲しいということだと思います。
このリールは、2017年にリリースされたジギング専用機の最高峰で、従来のモデルより多くの部分で進化を遂げています。本体をばらすことなくスプールを取り出せる構造や、ドラグサウンドの構造を根本的に変えて気持ちの良い使用感を実現するなど、ユーザー目線での改良がなされています。1500HGでギア比6.3、ハンドル1回転97cmの巻上げ量、最大ドラグ力7kg、PE3号で320ｍのラインキャパと、ビッグフィッシュと戦うのに不安のないスペックのリールになっています。
早速、動作確認を行ない、分解作業に入ります。
見た目はきれいな状態ですが、ハンドル回転時のノイズが大きく、スプールの回転性能はかなり低下しています。
外観のきれいさで釣行後の水洗いなどお手入れを念入りにされていることがよく分かります。
まず本体内部のセットプレート部は、汚れと塩でだいぶやられていますので、洗浄、防錆、グリスアップで元の状態に戻していきます。
ドライブギア、ピニオンギアにも塩の結晶が付着しており、薄っすらと緑青が出始めています。こちらもきれいに清掃後、グリスアップしておきます。
スプールの回転性能の低下とノイズの原因は、ベアリングの錆びによる回転不良でした。こちらは特殊工具が必要になるスプールピンを外して、ベアリング交換します。またギア軸のベアリングも錆びて破壊寸前の状態でしたので、交換となりました。
ジギング専用機はレベルワインダーがない分シンプルな構造ですが、内部まで海水が浸入すると錆びや固着が起こりますので、油断は禁物です。戦いの場が潮の最も早い、塩分の濃いところであり、荒れたら水没したくらいの海水を被る環境ですので、毎回丁寧なお手入が不可欠です。
また、なかなか清掃ができない本体内部については、定期的なオーバーホールがどうしても必要な個所になります。ちなみに塩による腐食で分解も難しいような状態のものは、このジギング専用機が多いので、当店では固定ボルトに電食防止剤を塗布しています。