今日はフリクションリングというパーツのことです。
シマノ製スピニングリールに搭載されているフリクションリングというパーツ、直訳すると「摩擦の輪」です。
何のためのパーツかというと、スピニングリールはキャストするときベールを起こします。
そして軽く振りかぶってロッドのしなりを感じながら投げるわけですが、その時にキャスト動作によりローターがくるくると回ってしまうと、オートリターン機構が働き、ベールが元に戻ってしまいます。
皆さん一度くらいは経験があると思いますが、キャスト直後にベールが戻ってしまうと、それは酷いことになります。
大切なルアーとさよならすることになります。
これを防ぐためにこの摩擦の輪があります。ベールを起こした時に、棒状の突起がこのリングにぶつかり、ローターが回転しにくくなります。
そしてキャストしてもベールが戻るという悲劇が起こらないようになっているのです。
重責を担う大変すばらしいパーツなのですが、よくトラブルを起こすパーツでもあります。
まず一番多いトラブルは、ゴム素材のため劣化してローター内部でドロドロになっているケース。
ハンドルが重たくなり回転しなくなります。指にでもついたら数日とれません。
次に多いのが、伸びて先ほどの棒状の突起に引っ掛かり、ハンドル回転がおかしくなる、ひどいときにはハンドルが回りません。
昔のリールから見ていると、どんどん進化しているパーツですが、依然としてトラブルと戦う日々のようなパーツです。