本日はツインパワーSW14000XGのハンドルが重くて巻けなくなったとの不具合です。
確かにローターを手で回してもほとんど回りません。
このケースではピニオンギヤ部のベアリングや、ローラークラッチ部が錆びで固着し、回転しない状態になっていることが多いのですが、ほとんど錆びや腐食はありません。しかしピニオンギヤは指では回らないくらい固い状態です。
原因が分からないまま本体カバーのネジを外して、開けてみると、スッとピニオンギヤが回転するようになりました。何らかの原因で本体カバーによりドライブギヤが圧迫されて、回転が重たくなっていたようです。
ドライブギヤとピニオンギヤの歯に傷があり、その他のギヤ類は正常な状態ですので、ドライブギヤとピニオンギヤの圧迫が原因と分かりました。
シム調整を失敗するとこのようなことが起こりますが、お客様によれば新品購入し、分解したことはないとのことです。
細かくチェックしてみた結果、原因はドライブギヤの変形というか破損でした。
写真の左側が正常な状態のドライブギヤで、右側が破損したドライブギヤです。
違いが分かるでしょうか?
破損しているギヤの方がわずかにギヤの円盤部分が下がっています。
どのようにしてこんなことが起こったかというと、ハンドルをギチギチにねじ込んで外すことができなくなったため、力づくで外したところ、ドライブギヤの芯がネジ式になっているために上方向に移動してしまったのでした。
簡単に外れる部分ではないので、相当な力でハンドルを回したことがこのような事態を引き起こしました。
塩によるハンドルの固着は要注意です。
大物とのファイト後にはハンドルがかなりきつく締まりますので、その状態で塩固着すると、ドライブギヤを破壊するほどの力をかけないとハンドルが外れなくなります。
ハンドル軸へのグリス塗布とともに、釣行後はハンドルを少し緩めた状態で保管するとよいです。