Selffishが教えるリールオーバーホール術(第1回)TOOL編

リールオーバーホールができるようになるための講座、第1回目になります。

まずは理屈もなくリールをバラバラにしてみましょうというやり方もあると思いますが、私がしてきた遠回りをそのまま繰り返すことになりますので、最低限分かっていた方が良い点から始めていきます。

以前Selffishで実施していた「リールメンテナンス教室」の最初30分でご紹介していた部分で、作業工程に入ってからのミスを最小限に抑え、スムーズに進めるための必要知識になります。

例えばドライバーひとつでも、数多くのリールをオーバーホールする中で実際に試されたもののうち、最適な工具をご紹介していきます。「Selffishのおすすめ!」コーナー(https://selffish.jp/category/recommend/)

そこに至るまで数十種類の工具を使ったうえでのおすすめですので、初めからそのドライバーを手にすることでロスを抑えることができると思います。

とはいえ、何事も経験という考えもあるので、いくつもの工具を試して、一番しっくりくるものを探すという方法もありです。ご参考程度に考えていただいて大丈夫です。

今回は一番初めに使うであろう工具、プラスドライバーからです。

リールのパーツを組み付けているものはほとんどがネジ(スクリュー、固定ボルト、ビスなど呼び方はいろいろ)です。そのネジをつけたり外したりする工具の一つがドライバーになります。

ドライバーには大きさや形状、長さなどからいろいろな種類がありますが、リールで使用する工具としては、そのうちの数種類だけです。私のように多種多様なリールを作業する場合は、30種類以上のドライバーが必要ですが、お持ちのリール用だけならそれほど多くのドライバーは不要です。

工具は100均のものでOKという記事を目にすることがありますが、もちろんそれでも作業は可能です。ただ、ネジを傷めたり、ドライバーの先端形状によってリール本体カバーを傷つけてしまうことがありますので、注意というか覚悟が必要です。傷はできるだけつけたくない方や、ご友人のリールなど他人のリールを作業する可能性がある場合は、工具には注意した方が良いと思います。

プラスドライバーには、先端サイズにより、00番~4番までの種類があります。(JIS規格は1番~4番)00番が最も小さいネジ用で数字が上がるにつれて大きなネジ用になります。

リールで使うプラスドライバーは、1番がもっとも多く、次に0番、稀に00番と2番いう感じですので、ほとんどの場合0番と1番があれば大丈夫ですが、リールの種類やネジの状態によっては他の番手が必要になるケースもあります。

ドライバーには先端(チップ)の材質や加工の仕方などメーカーにより特徴があります。いろいろ試してみた結果、私の中で高得点を獲得したものがWERA社のドライバーです。「Selffishのおすすめ!」参照

1番は把手の太いものと細いもの2本、0番は細いもの1本あればほとんどのケースは大丈夫です。

下記のセットだと必要なドライバーがかなり揃います。

次にプラスドライバーの使い方ですが、「回せばいいだけじゃん」と思うかもしれませんが、能書きはいろいろあります。その中で特に大事なのが、力の入れ方です。

いろいろな記事で紹介されているとおり、プラスドライバーでネジを回す時は、「上から押す力7:回す力3」が原則です。力を入れて回す時は、その倍以上の力で上から押してくださいというほうがスッと入ってくるかもしれません。

プラスドライバーでプラスネジを締め緩めする時には、その形状のため回す力をかけたときに、ネジの溝からドライバー先端が逃げようとドライバーを上向きに押し出そうとする力が働きます。カムアウト現象と言います。それを抑えるために上からの力が必要になるわけです。

つまり、固いネジを緩めたいときは、リールを手で持ってネジを回すのはかなりの腕力のある方でないと難しく、かつドライバーが不意に外れたときに手のひらを貫通するという大惨事につながります。過去に私も親指と人差し指の間にドライバーが貫通し、そのまま病院で軽い手術をした経験があります。位置によっては指が自由に動かせなくなる危険があるとのことで、手の神経専門のドクターが存在するくらいの領域と言われました。

重要なポイントは、ネジが固いなと思ったら、リールを机の上(ゴムマットなどを敷いて)に置いてドライバーを上から垂直に当て、かなりの力で押しながら少しずつ回す力をかけていくやり方を徹底することです。

固いネジには塩や錆びによる固着の他に、ねじ止め剤という接着剤で止めてあるケースがあります。リールによってねじ止め剤を打ってあるネジがいくつかありますので、個別の作業編でその都度お知らせします。ちなみにダイワのベイトリールのハンドルノブやギヤ軸の固定ボルトなどは要注意です。

固いネジを外すことができれば、ネジに関する障害の半分は解決します。あとはバランスよくスムーズにネジの締め緩めができるようマイクロドライバーを使います。

このドライバーは緩んだネジの取外しと最後の締めこみ前まで(仮締め)に使用します。つまり、ネジの着脱のほとんどは、このマイクロドライバーで行ないます。このマイクロドライバーの特徴は、把手部分が細いだけではなく、把手の端が回転するようになっており、ネジを押し回しするときにドライバー本体を手のひらで押しながら回すことができるため、非常にスピーディーに回すことが可能です。

バランスよく組み上げするためにも、緩め始めと最後の増し締め以外の部分をマイクロドライバーで行なうことがキモです。

次回はマイナスドライバーをご紹介します。

 

 

 

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