Selffishが教えるリールオーバーホール術(第4回)TOOL編

今回はプライヤー、ピンセットなど挟むものです。

プライヤーについては、リールオーバーホールでの用途としては、「Eリングを止める」「固着したものを外す」「変形したものを整形する」などが主なものです。

まず「Eリングを止める」際に必要な性能は、先端が細くて薄いものでもつかめる精度の高いものが断然使いやすいです。リールに使用されるEリングは非常に小さいものばかリなので、市販されているEリングプライヤーの類はほとんどが大きすぎて難しいです。医療用のモスキート鉗子という器具を使うこともあります。

ホームセンターなどで安く売っているものの中に、ごくたまに先端がすごくいい感じのものがありますので、根気よく探せる方はそれでもOKだと思います。私は性格的に無理なので、少し高いですがはじめから精度の高いクニペックスのものを使っています。またプライヤーの先端がリールに接触するため、傷をつけないよう表面を処理されていることも重要です。

次にスライドするパーツを支持する棒がついている箇所がリールにはよくあり、この棒が良く錆びや塩で抜けなくなっています。そんな時も小型プライヤーの出番ですが、この時プライヤーの挟む部分にギザギザがついているものはパーツに傷がつくので要注意です。そっとつかむ分には大丈夫なのですが、固着したものを動かそうとするときには、それなりの力が必要になるため、力を込めて挟むことが多く、大抵パーツが傷だらけになります。挟む部分にギザのないものだと傷はついても非常に少なくて済みます。

変形したパーツを整形する際にも、ギザのないプライヤーは重宝です。ちょっと変形した座金(ワッシャー)などは挟むだけでかなり真っ直ぐになります。基本的に変形したパーツは新しいものに替えるのですが、オールドリールなどの特殊な形状のものは入手が困難ですので、整形して使うしかないことがあります。

余談ですが、私の娘がリールの分解清掃まで行うことができるアシスタントとして、気が向くと手伝いに来てくれます。彼女はKEIBAのHLC-D14というプライヤーを愛用しています。スプリングで開く角度も感じが良く、細かい作業がしやすいようです。手になじむTOOLは人それぞれなので、自分にぴったりの使いやすい工具を探すのも面白いかもしれません。

ケイバ(KEIBA) プロホビー ラジオペンチ 溝なし (切断刃なし) HLC-D14

もう一つのプライヤーが、若干大きめのものでやはりクニペックスのプライヤーです。

このプライヤーは挟む部分が、モンキースパナのように並行に動く珍しいプライヤーです。

つまり万力のような動きをしますので、いろんな場面で大活躍します。

後々実践編で多くのリールを使ってご説明していきますが、多くのシーンで登場しますのでその都度ご紹介していきます。

他にも機種や状況によってはさらに大きなものも必要になったりしますが、その都度説明していきます。

とりあえずプライヤーは、このタイプのものが欲しいところです。

次にピンセットです。

こちらはどんなものでも無いよりは良いです。・・が、やはり使っていて気持ち良いTOOLがあります。

「Selffishのおすすめ!」でもご紹介していますが、チタン製の先曲がりタイプとストレートタイプの2種類。

なぜチタン製がというと、「軽い」「錆びない」「磁気を帯びない」が理由です。

「軽い」「錆びない」は長い期間気持ちよく使えるためなので、特に絶対必需というわけではありません。

重くて錆びるけど安いものをどんどん替えていく方法もありだと思います。

ただ最後の「磁気を帯びない」は意外と重要で、磁気を帯びてしまったTOOLは、パーツの紛失に一役買ってしまうからです。

小さなパーツを見失うことがよくありますが、確かにさっきまであったワッシャーや小さなバネなどが見当たらなくなると、工具や綿棒についていることが非常に多いです。作業台の上、足元を探して見つからない小さなパーツは、工具にくっついていることが多いので、そこからチェックすると早めに解決します。

チタン製には弱点もあります。それは力をかけるとすぐに曲がってしまうことです。ピンセットは先が少しでも曲がったら、非常にストレスのたまる工具に変身しますので、大切にあつかって、少しでも長く使ってください。

次回はレンチです

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