第9回パーツ編は、純正パーツについてです。
リールをオーバーホールするにあたり、パーツの摩耗や破損により交換が不可欠となる場合があります。
ベアリング以外では、ギヤ周り、ドラグワッシャー、ラインローラー、などが要交換となることがある純正パーツです。
そのほかにも、ローターやベール周りのパーツに傷がついたり、メカニカルブレーキキャップ、ドラグノブ、ハンドルキャップなど緩みで紛失など、たまに純正パーツが必要になります。
純正パーツについては、パーツ販売せずメーカー修理のみで交換可能なものもありますが、大抵のパーツはお近くの釣具店からメーカーに注文して入手することができます。ただし、生産終了から一定年数経過すると、メーカーのパーツ在庫がなくなりますので、その後は入手できなくなります。
シマノ、ダイワ、ABUなどのリールメーカーHPに、パーツリストというページがありますので、それで必要な純正パーツを指定し、注文します。
こちらページは展開図によってパーツの詳細を表示していますので、分解時にパーツの順番が分からなくなった時なども強力な味方になります。
上記からリールの機種を指定し、パーツリストを閲覧します。
シマノさんの場合、リールの所定の位置に商品コードという5桁の番号が記されています。
スピニングリールならリールフットに、ベイトリールなら本体カバーの下部分に記載してあります。
この商品コードで探していくと、間違いが少ないと思います。
例えば、18ステラC3000SDHHGであれば、商品コードは03804ですので、それで検索してパーツリストを見つけることができます。リールの種類とシリーズ名から探すこともできますが、ステラなら歴代ステラがすべて表示されますので、そっくりな違うリールを選んでしまうとパーツ番号が異なるため全く使えないパーツを取り寄せてしまうことになります。
パーツ価格表が表示されると、展開図とパーツの名称・価格の一覧表を見ることができます。こちらから必要なパーツを注文すると入手できます。
スプール内のドラグワッシャーを交換したければ、「18ステラC3000SDHHG(03804) NO.4ドラグ座金(A)を2個」という感じに釣具店で頼めば、しばらくしてから入荷してきます。
ダイワさんはギヤなどの主要パーツを販売していませんので、交換が必要な場合はメーカー修理扱いになります。
ABUの純正パーツは、在庫がないことが多く次回生産まで3ヶ月待ちなどになることがありますので注意が必要です。
シマノさんはほとんどのパーツを販売してくれますので、当然自己責任になりますが、ギヤの交換なども可能です。HG(ハイギヤ)からPG(パワーギヤ)への変更といったギヤ比変更も、条件がそろえばできます。
※これは改造になり、そのままではメーカーのケアを受けられなくなりますのでご注意ください。
ギヤ周りについては、最も摩耗しやすいのは、ハンドルに直結するドライブギヤとその力をスプールやローターに伝達するピニオンギヤです。この2点は、数年に一度に交換しておくとシルキーな巻き心地のまま使用することができます。またパーツの供給終了になる前に、交換しておくとより長く快適に使用できます。
他にもなめてしまったネジを新しいものに交換したり、防水キャップやコネクターキャップなどを欠損したときも交換・補充ができます。
オーバーホールができるようになると、このあたりの純正パーツ交換も可能になるので、愛着のあるリールが蘇っていく喜びを味わうことができます。