こんにちは Selffishの鈴木です。今日はリールの中に水分が浸入するとどうなるかを見ていただきます。
どういった場合に水分がリールの内部まで浸入するのでしょうか。
最も多いのは、リールを水洗いするときにドブ漬けしたり、リールの下側から勢いよく水道水をかけて洗うケースです。釣りは豪雨の中でも中断しないレジャーですので、リール上部からかかる雨にはある程度の防御力を発揮します。しかしながら、湿気などで内部に入った水分を放出するために、ベイトリールの場合、ボディ下側に抜き穴が設けられており、そこからは内部に浸入することができます。
つづいては、釣りの最中に誤ってリールを水の中へ落してしまうケースです。この場合はすぐに拾い上げられる場合と、しばらく水中を漂ってから生還する場合がありますが、5分以上水中に入っていた場合は、内部に水分は浸入している可能性が高いです。特に海水で落としてしまった場合は、ベアリングが全滅することもあります。早めに処置しないと、ハンドルが回らなくなったり、分解すらできないような固着を起こします。
最後は意外と気づいていないことが多いですが、ウェーディング・立ちこみのスタイルでの釣りや、カヤック、SUPスタイルで釣りをするケースです。この場合、釣り人が自覚している以上にリールは水没しています。このスタイルでの釣り愛好家の方々は、十分な水洗いお手入れに加え、半年に一度くらいの分解清掃・グリスアップが必須になります。一年に一度だと分解できないくらいになっていることがあります。
いずれにせよ、リールの内部に水が入るのはできるだけ避けたいところです。
リールにはシールというゴムのパッキンのような水分浸入防止用のパーツが本体カバーに設けられています。コアプロテクトのような優れたバリア構造も駆使されています。また、多少の水分が浸入しても、内部に錆が出ないよう各部はグリスアップによりガードされています。それでも、海水の浸入には完全に打ち勝つことはできず、内部に腐食や錆びが出て、かなりのダメージを受けているリールにはちょくちょく遭遇します。
写真は浸入してきた水分と内部のグリスが戦った末の姿で、本来潤滑されていないといけないギヤの歯にはほとんどグリスは残っておらず、グリスは水分を含んで白く乳化しています。このグリスのおかげで、錆びや腐食は出ずに内部は正常な状態を保つことができました。ただし、できるだけ早めに、乳化したグリスを除去し、新しいグリスをギヤの歯に塗布してあげないといけません。この状態からギヤの摩耗は一気に進みます。
内部がこの状態になると、ギヤが潤滑不足になり、嫌なノイズが出始めますので、日頃から愛用しているユーザーの方なら、内部を見なくても比較的簡単に感知することができます。
聞いたことがないようなノイズがリールから聞こえたら、分解清掃・グリスアップをしてあげましょう。