ABUアンバサダーのレベルワインド不具合

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、ABU AMB5500Cのレベルワインド動作不良の修理です。

レベルワインダーが右端に行くと抵抗が増して、連動しているスプールの回転が停止してしまうという症状です。

先日のBSフジ「名品再生」でも一部ご紹介しましたが、レベルワインド部の不具合については、いろいろな原因があります。

最も多いのがウォームシャフトというギヤの破損・変形です。これは20倍くらいの拡大鏡を使ってようやく見える程度の破損や変形なので、原因に気づかないことがあります。

他にもレベルワインダーの変形、ウォームシャフトに連結するギアの変形や異物、パイロットガイドというパーツの摩耗、レベルワインドパイプの変形、錆びなどいろいろな原因があります。

今回のお客様は同機種をたくさん所有されており、オーバーホール技術がある方ですので、原因となりそうな点はチェック済でした。パーツをいろいろと入れ替えてみても、改善されないとのことでした。

当機種についても、最も可能性の高いウォームシャフトの破損・変形から原因を探していきます。ウォームシャフトの溝は非常にきれいで動作不良を起こすような破損・変形は見られません。

次にレベルワインダーの変形、フレームの変形を見ていきますが、やはり原因となりそうな違和感はありません。

パイロットガイドの極度な摩耗も見られませんが、念のため高倍率の拡大鏡で見てみると、上部にわずかな摩耗跡が見つかりました。恐らくウォームシャフトとのクリアランスがわずかに小さく、強めに接触していたようです。

どのくらいわずかかというと、

 

8.00mm標準のパーツが、7.95mmと0.05mm少ないというレベルです。そのために部分的に強めに接触してしまうという状態でした。

こちらはパーツの交換ではなく、調整座金により0.05mm~0,10mmのクリアランス調整をしてスムーズな動きを取り戻しました。

些細なことが原因で、本来の状態を失い、使用が困難になることがありますので、使い慣れている方だけが感じとる違和感に気づいた時は、原因を見つけて対処しておくことが重要です。

 

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