スプールとギアの連結不良

こんにちは Selffishの鈴木です。

今回は、スプールとギアの連結不良についてです。

両軸リールはラインを出す時にはスプールが抵抗なく高速で回転し、巻き上げる時はラインを出していたときに回転していた方向には動かなくなり、スプールがハンドルに連動して先程とは逆に回転します。

この動作を生み出す装置がクラッチというもので、クラッチを切るとギアとスプールの連結部が解除され、スプールが回転フリーになります。クラッチが戻るとギアとスプールが連結してハンドルに連動して回転するようになる仕組みです。

この連結部がスプールピンとピニオンギアの溝になります。この連結部の動作不良が原因で、巻き取りできなくなったり、スプールがフリーにならなくなったりします。

 

 

今回のケースは、スプール側のピンの変形と、ピニオンギア側の溝の変形によって、連結の動作不良が起こっていました。画像のスプールピンが少し変形しているのが分かるでしょうか。本来は一直線ですが、このピンは微妙にS字型に変形しています。そのため、ピニオンギアの溝に納まりにくくなっています。変形を戻しておかないと、直に巻き取り不能になります。

これは電動リールによく見られるパターンで、瞬間的に強い力がかかるとスプールに付いているピンが曲がってしまうために、ギア側の溝に納まらなくなる現象です。一度この状態になると、すぐにピニオンギアの溝が削れてしまうので、カタンカタンという音がしてラインの巻き取りができなくなります。

ドラグをがちがちに締めた状態で、瞬発力のある強い当たりが出る魚、代表格がタチウオです。

小型の電動リール、シマノフォースマスター400やダイワシーボーグ150Sなどでよくみられる症状です。

フォースマスターの場合、この状態になるとメーカー修理でしか直すことができません。

予防策はドラグをがちがちにしないことですが、それでは獲れない獲物なので、違和感を感じたらその都度チェックしてもらうしかありません。実際には巻き取り不能になるまで気づくことは難しいと思いますので、定期的にオーバーホールしてもらうのが最善の対処法になります。

ライン巻き取り時に、一度でもカタンとギヤ抜けのような症状が出たら、巻き取り不能になる日は近いのですぐに整備依頼をしてください。

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