シマノ スピニングリールのローラークラッチ

こんにちは Selffishの鈴木です。

今日は、リールパーツの一つ「ローラークラッチ」というパーツの変化についてのお話です。

最近のシマノのスピニングリールにはいわゆる低摩擦ローラークラッチと呼ばれるパーツが使われており、従来のローラークラッチとは構造や性能が変わっています。

従来のスピニングリールは、SWシリーズなど一部を除いて、ハンドルが逆転できるモードと正転しかできないモードを切り替えることができました。しかし最近のスピニングリールにはハンドルを逆転できるモードがなくなってきています。それに伴い、ローラークラッチの構造が一新され、同時に性能もアップされています。

一方向にしか回転できないようにするためのローラーが細くなり、それを押し出すスプリングも変更されており、より少ない摩擦で確実に、瞬時に逆転を止めることができるように改良されています。

構成するパーツの一つ一つが小さく軽量化され、非常にデリケートなものになっていますので、リールオーバーホールの強者たちが皆一度はバラバラにぶちまけ、呆然となった経験をしているはずです。

パーツの梱包の違いからもそのデリケートさが良く分かります。新しいものは紙の箱(少し前まではクリアーのパックに入っていました)に厳重に梱包されており、「素手で触ってはいけな~い」という感じのマークが記してあります。これはパーツに撥水加工が施してあるためで、指の油脂による性能低下を避けるための警告です。

(下段は従来のローラークラッチ)

   

この最新技術のローラークラッチについては、分解時に注意しないとバラバラとぶちまけることになりますので、できればぶちまけ経験済で立ち直った方に指導をお願いした方が賢明です。

さてこの最新ローラークラッチになってから5年以上が経過し、いろいろとダメージを受けているケースが目につくようになってきました。かなりみっちりと撥水加工など対策しているにもかかわらず、海水の浸入に完全勝利するのは難しいようです。

各パーツが小さい分、錆びによる影響が大きく、ジャラジャラと大きなノイズを発し、ハンドル逆転現象が起こるという不具合が出ることがあります。

きちんとお手入れをして、動かさない状態のまま長期間放置さえしなければ、このようなことにはならないのですが、シーズンオフの間はどうしても触る機会が少ないので、シーズン開幕時にはよく目にすることになります。

精密機械と海水の戦いは永遠に続くのだろうと思いますが、メーカーのエンジニアさんたちの頭脳が、塩に勝利する日は必ず来ると信じています。

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