こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は非常に希少なオールドリール シマノBantam1000SGのご依頼です。
3月に一度お問合せいただいたにもかかわらず、その時は2か月待ちで釣行予定に間に合わず、見送りとなっていたお客様です。「こんなことではだめだ」と落ち込んでいたところ、もう一度お問合せをくださいました。これ以上の喜びはありません。本当にありがとうございます。
しかも私も大好きなリールのご依頼で、嬉しさのあまりミスをしないよう平常心を取り戻してから、作業に入ります。
オールドリールは固定ボルトが傷つきやすいので、先端チップに樹脂系の膜を施したドライバーを使用してゆっくりと分解していきます。固着している箇所は、オイルを注しながら外していきます。
内部の状態は、オールドリールらしい褐色に固化したグリスに覆われており、除去しながらパーツの状態をチェックしていきます。
構造は最近のリールでは見たことがないような形になっており、とても歴史を感じる機種です。
Bantamはこの当時のリールにしては、極めてスプールの回転が良く、現在でも十分なスペックであるため、いまだにカスタムパーツが販売されているほどの人気ぶりです。このリールもスプールの回転は非常に良好で、すぐにも活躍してくれそうな雰囲気を醸し出しています。
レベルワインド部の汚れたグリスを除去して、最新のグリスで仕上げるとハンドルを回しただけで違いが分かるほどの性能になります。プロフェッショナル専用設計とうたっているだけあります。
ギア周りは若干変色していますが、歯の部分はきれいなので、この状態を保つことができるよう、通常よりわずかに稠度の高いグリスで、保護重視の仕上げにします。
これから何十年も歴史を刻んでほしい名機です。