こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、シマノ オシアジガー2000NRHG3機の定期メンテナンスのご依頼です。
毎年ご依頼をいただいているお客様で、毎回そろそろ整えておいた方が良いくらいのタイミングでリールが送られてきます。毎年のお客様はリールを見るとそのシーズンの活躍ぶりが分かるので、いつも楽しみにしています。
このリールは、2017年に発売されたジギング専用ベイトリールのシマノ最高峰で、ドラグ力10kgというスペックからも分かるように、とにかくパワフルでちょっとやそっとなことで壊れる感じがしない強さを感じるリールです。ハンドル、ボディ、スプールはもちろん肉厚で強靭、しかもコンパクトというジギングのために生まれたようなリールで、ギア周りも重量感のある仕上がりになっています。
このリールにおいて、ケアすべき部分は、塩による錆び、腐食の防止とベアリングの消耗です。フィールドが塩分濃度の高い、潮の早い場所で、大人しく上がってくる相手ではないので、リールへの負担は予想以上のものになります。ハンドルノブの軸が変形しているものや、スタードラグが曲がっているものなどもよく目にしますので、恐ろしい戦いを展開していることが容易に想像できます。
今回ご依頼の3機については、ほぼ同じような状態で、同様のケアをして来る戦闘に備えたいと思います。
まず ハンドルノブの回転は良好です。こちらはゴロゴロとした感じになってる場合は、できるだけ交換をおすすめします。この程度ならまだ使用可能に思えても、ジギングの場合は想定外の力がかかるため、ハンドルノブ内のベアリングに少しでも錆びが出ていると、ベアリングは破壊されます。ベアリングが錆びて破損すると、外輪が固着してとれなくなるため、分解自体の難易度がぐんと上昇します。少しでもノイズがある場合は、強度の高い新しいものに交換し、かつ防錆に優れたグリスで錆びが出ないように万全の防御策を講じます。
本体の状態は、やはり塩が所々で結晶となっており、グリスが負けている状況です。
ギア周りやギア軸周辺も塩ガミしており、もう少しすると錆びて回転が悪くなってくる手前の状態です。オーバーホールとしては最高のタイミングです。
ドライブギアもきれいな状態のギリギリ最後の段階で、このもう少し後になると、歯の部分に緑青が出てきます。
防錆およびグリスアップにより、錆び腐食を寄せ付けないガードの固い仕上げをしておきます。
本体カバー内部も通常よりみっちりと防錆処理を行ない、多少の塩には負けないようケアしておきます。
これでまた1年大丈夫なコンディションになります。来年までにどのような活躍をするのか楽しみです。