こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、ABU AMB6500C3のオーバーホール依頼です。特に気になる点はなく、定期的なOHとのことです。
全体的によくお手入れされており、錆びや腐食はありません。
グリスはセットプレート全体に塗布されており、良い状態を維持できています。
コグホイールが圧着式なので、無理に取り外すと傷をつける可能性があり、塩ガミが酷いときなど余程の状態でない限り取り外し作業はしません。どうしても取り外す場合は、上部をカットし清掃グリスアップ後にリテーナで止めるという形で行なうことがあります。もちろんお客様の了解のもとです。今回は、ギアの歯の状態が良好ですので、グリス過多の部分を取り除き、回転性能をアップするだけの作業を行ないます。
フレームに大きなゆがみがないか念のためチェックし、ブラシ清掃を行ないます。
レベルワインド部も程よくグリスアップされており、問題ない状態です。清掃のうえ新しいグリスで仕上げておきます。
ギア軸周りも摩耗は少なく、錆びもありませんので、ノイズのない滑らかな回転を維持できる稠度のグリスでケアします。
ギア周りも駆動部である歯の部分は問題ありません。ギアの裏側に小傷がありましたが、こちらは恐らく過去にドライブギアの取り外しができず、ドライバーなどでついたものだと思われます。ABUや昔のシマノのベイトリールは、ドライブギアの摩擦でギア軸に小さな変形ができるため、外しにくくなっているものがよくあります。この場合、ドライバーを差し込んで浮かせるのもありですが、傷をつけたくないならドライブギアを押さえて、ギア軸を軽く叩くと意外に簡単に外れますのでおすすめです。動作や機能に影響はないので、錆びが出ないよう防錆処理だけしておきます。
最も錆びが出やすいローラークラッチ周りも非常にきれいな状態で、問題はありませんので、専用のグリスでケアしておきます。
恐らく淡水で使用されているようなので、傷みはほとんどなくまだまだこれからという感じのリールでした。