こんにちは Selffishの鈴木です。
今回は、シマノ18炎月プレミアム150HGのオーバーホールです。
スプール回転時の異音が大きいことと、巻きが重たく使っているうちに徐々に軽くなってくるという状態を改善して欲しいとのご依頼です。
このリールは、2018年に登場した鯛ラバに主眼を置いたカウンター付きベイトリールです。マイクロモジュールギア搭載により、滑らかで余計なノイズのないパワフルな巻き上げを実現し、リーリング中のかすかな中りも逃すことはありません。またデジタルカウンターには、水深だけでなく巻上げスピードも表示し、正確な等速巻きを可能にしています。さらにフォールも自在にコントロールできるフォールレバーの搭載により、巻上げと落とし込みの両方でバイトを誘うことができる究極の武器に仕上がっています。耐久性とタフネスも兼ね備え、大鯛とのファイトにも対応しつつ、メタルスッテゲームなど繊細な戦略にも威力を発揮するリールになっています。
内部を見ていくと、かなり海水が浸入している跡が見られ、所々に塩の結晶が出来上がっています。
ギア軸周りも塩ガミと錆びが出ており、ベアリングはゴロゴロになっています。塩除去のうえベアリング交換、グリスアップで整えます。
ギア周りは、塩により緑青が出始めており、こちらは柔らかい真鍮ブラシで落としていきます。緑青が除去出来たら、防錆処理・グリスアップをしておきます。
レベルワインダーはスプール連動型になっているため、ここの動きが悪いと、スプール回転性能の低下と巻き上げの重さにつながります。この部分は錆びが出やすいため、あえてベアリングではなく、カラーを使用していますが、それでも回転は非常に悪くなっていました。塩をきれいに取り除くと、見違えるほど回転が軽くなります。
カウンター付きリールや小型電動リールはこの部分の水洗いやグリスアップなどの手入れが難しく、定期的に分解して清掃しないと汚れを取り除くことが難しいです。ランニングコストはかかりますが、シーズンオフにはオーバーホールできれいにしてあげないと、一気に性能が低下してしまうので、大物を釣るチャンスを逃すことになってしまいます。
またフォールレバー付きのリールに共通して起こりやすいのが、ピニオンギアとベアリングの固着によるクラッチ動作の不良です。フォールレバーで頻繁にメカニカルキャップを動かすため海水が浸入しやすいのか、スプールシャフトを伝ってフォールレバー付近まで到達するのか、はっきりしませんが、特有の症状ではあります。
グリスシールを強めに施して、少しでも海水が浸入しにくいよう工夫しています。
今回のリールもベアリングは5個やられていましたが、交換すると元々のハイスペックリールに戻りました。